はじめに
「英検2級に合格するには、どのくらい勉強すればいいですか?」は、生徒・保護者から特によくいただく質問です。
先にお伝えすると、英検2級の勉強時間に公式の目安はありません。準2級に合格したばかりの人と、中学英語に不安がある人とでは、必要な時間がまったく違うからです。大切なのは、平均的な時間を知ることよりも、自分の現状を測り、試験日から逆算して毎週の量を決めることです。
この記事では、現状の診断方法、2026年度の試験日程を使った逆算の仕方、残り期間別のスケジュール、教材の絞り方、よくある失敗までを具体的に解説します。
この記事では、試験日から逆算した学習スケジュールの立て方に絞って解説します。技能ごとの対策や教材の使い方など、2級の勉強法の全体像は英検2級の勉強法をご覧ください。
英検2級の勉強時間はどれくらい必要?
結論として、英検2級の勉強時間は現状によって大きく変わるため、まず過去問で今の位置を測り、そこから必要な時間を見積もるのがおすすめです。 英検2級は公式に「高校卒業程度」とされる級で、一次試験はリーディング・ライティング(85分)とリスニング(約25分)、二次試験は約7分の面接です。
「何時間やれば合格できる」という決まった数字はないため、この記事では時間数を決め打ちしません。現状によって、最初に重点を置くことと、確保したい準備期間の考え方は次のように変わります。
| 現状 | 最初に重点を置くこと | 準備期間の考え方 |
|---|---|---|
| 準2級に余裕を持って合格している | 2級の単語、ライティングの型 | 短めの期間でも計画を立てやすい |
| 準2級レベルだが長文が苦手 | 単語と文法、長文の精読 | 土台の補強を含めて、余裕のある期間を取る |
| 中学英語の文法に不安がある | 中学〜高校1年の文法の総復習 | 文法の総復習から始めるため、長めの期間を取る |
必要な時間は、次の章の診断で技能ごとの正答率と、弱い技能がいくつあるかを見て見積もります(自己採点の正答率からCSEスコアを計算することはできないため、正答率は目安として使います)。弱い技能が多いほど長い準備期間を取り、途中の過去問で進み具合を確かめながら調整するのが現実的です。
まずは現状を診断しよう
計画を立てる前に、公式サイトで公開されている過去問を1回分、本番どおりの時間で解いてみてください。 日本英語検定協会のサイトでは、2級の過去1年分(3回分)の問題冊子・リスニング原稿・音源・解答が公開されています。
- リーディング・ライティング85分、リスニング約25分を時間どおりに解く
- リーディングとリスニングの正答率を出す
- ライティングは、要約と英作文を書き切れたか、語数を満たしたかを確認する
- 結果を次の表に当てはめ、優先順位を決める
| 診断結果 | 考えられる原因 | 優先すること |
|---|---|---|
| 大問1(語句空所補充)の正答率が低い | 単語・熟語の不足 | 単語帳1冊を徹底 |
| 長文で時間が足りない | 精読力・語彙不足 | 文法の復習と長文の音読 |
| リスニングが6割に届かない | 語彙・音の処理 | 音声付きの単語学習とシャドーイング |
| ライティングが書けない | 型がない・文法ミス | 型の暗記と週2本の添削 |
協会は、2016年度第1回で2級以下の各級では「各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格」したと説明しています。合否はCSEスコアで判定されるため正答率だけでは決まりませんが、各技能6割を最初の目標ラインにすると計画が立てやすくなります。
試験日から逆算する:2026年度の日程
スケジュールは、受ける回の一次試験日と申込締切から逆算して作ります。 2026年度の本会場(個人申込)の日程は次のとおりです。
| 回 | 個人申込の受付期間 | 一次試験 | 二次試験(A日程/B日程) |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 3月23日〜5月7日 | 5月31日(日) | 7月5日/7月12日 |
| 第2回 | 6月30日〜9月7日 | 10月4日(日) | 11月8日/11月15日 |
| 第3回 | 10月30日〜12月14日 | 2027年1月24日(日) | 2027年2月28日/3月7日 |
例えば今から第3回を目指す場合、一次試験まではおよそ4か月あります。二次試験のA日程・B日程は、申込方法や年齢によって指定されます。学校などの団体で申し込む場合は日程が異なるため、公式サイトで確認しておきましょう。
従来型の日程が合わない場合は、コンピューターで受験する英検S-CBTという選択肢もあります。原則として毎週土日に実施され、実施級は準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級で、同じ回次(第1回/第2回/第3回)に同じ級を3回まで受験できます。
残り3か月の短期スケジュール
3か月で準備する場合の、時間の割り振り方の一例として、週15時間前後(1日2.5時間×週6日)の配分を示します。 この時間を確保すれば合格できるという意味ではなく、技能ごとの配分の考え方を示すための例です。準2級に余裕を持って合格している人を想定した密度の高い例なので、この量が難しい場合や、診断で弱い技能が多かった場合は、無理に詰め込むより受験回を1回後ろにずらすほうが、結果的に早く合格できることもあります。
週ごとの配分(週15時間)
| 分野 | 週あたり | 内容 |
|---|---|---|
| 単語・熟語 | 3時間 | 毎日30分。単語帳1冊を繰り返す |
| 文法・長文 | 4時間 | 文法の復習と長文1題の精読 |
| リスニング | 3.5時間 | 過去問音声の復習とシャドーイング |
| ライティング | 3.5時間 | 要約1本・英作文1本を書き、添削後に書き直す |
| 二次試験対策 | 1時間 | 最終月から開始。音読と質問の型の練習 |
月ごとの進め方
| 月 | 目標 |
|---|---|
| 1か月目 | 単語帳を1周。文法の弱点を洗い出し、ライティングの型を覚える |
| 2か月目 | 単語帳2周目。長文とリスニングを毎日。ライティングは週2本 |
| 3か月目 | 公式過去問3回分を本番どおりに解き、間違えた問題を解き直す |
残り6か月の標準スケジュール
6か月ある場合の割り振り方の一例として、1日1.5時間×週6日(週9時間)の配分を示します。 期間に余裕があるぶん、基礎固めに時間をかけられます。3か月の例と同じく、途中の過去問の正答率を見て量を増減してください。 多くの中高生にとって、部活や定期テストと両立しやすいペースです。
| 期間 | 重点 | 週9時間の内訳の例 |
|---|---|---|
| 1〜2か月目 | 単語と文法の土台 | 単語3時間・文法4時間・リスニング2時間 |
| 3〜4か月目 | 長文とリスニングの演習 | 単語2時間・長文3時間・リスニング3時間・ライティング1時間 |
| 5か月目 | ライティングの集中対策 | 単語2時間・長文2時間・リスニング2時間・ライティング3時間 |
| 6か月目 | 過去問演習と二次対策 | 過去問5時間・ライティング2時間・面接2時間 |
残り1年の余裕スケジュール
1年ある場合は、1日1時間弱のペースから始め、途中の過去問で進み具合を確かめながら量を調整できます。 中学生や、英語に苦手意識がある高校生に向いています。
- 前半6か月:単語・文法の土台づくり。準2級の内容に抜けがあれば、そこから埋める
- 後半6か月:長文・リスニング・ライティングの演習と過去問、最後に面接練習
時間に余裕があるぶん、途中で準2級プラス(2025年度に新設された、準2級と2級の間の級)を受けて力試しをする方法もあります。
平日と休日の1日の例
毎日の勉強は「単語は毎日少しずつ、演習はまとまった時間で」が基本です。 中高生の平日と休日の例を示します。
| 時間帯 | 平日(約1.5時間) | 休日(約3時間) |
|---|---|---|
| 朝・通学 | 単語15分(音声を聞きながら) | 単語30分 |
| 帰宅後 | 文法または長文30分 | 過去問のリーディング50分+復習30分 |
| 夜 | リスニング20分+単語の確認15分 | ライティング1本40分+リスニング30分 |
教材を絞る:使うのはこの4つだけ
英検2級の対策で使う教材は、次の4つに絞るのがおすすめです。 何冊も手を広げるより、同じ教材をくり返すほうが、間違えた問題を解き直しやすく、学習の抜けも見つけやすくなります。
- 2級の単語帳1冊(音声付きのもの)
- 高校基礎レベルの文法問題集1冊
- 2級の問題集または過去問集1冊
- 公式サイトの過去問(過去1年・3回分)
大切なのは「1冊を何周したか」ではなく、「その1冊の中にわからない問題が1つも残っていないか」です。単語の覚え方や文法の固め方は英検の単語・文法の勉強法で詳しく紹介しています。
分野別の進め方と優先順位
単語(最優先)
- 毎日同じ時間に、音声を聞きながら覚える
- 1回で覚えようとせず、短い間隔で何度も繰り返す
- 大問1で間違えた単語は、その日のうちに単語帳で確認する
文法・長文
- 長文が読めない原因は、単語か文法のどちらかにあることが多い
- 1日1題を時間を計って解き、解説を読んで全文の構造が説明できるまで復習する
リスニング
- 過去問の音声を「解く→スクリプト確認→シャドーイング」で使い切る
- 迷った問題は「どの単語が聞き取れなかったか」まで確認する
ライティング
- 要約と英作文を週2本書き、添削を受けて書き直す
- 型と表現は英検2級ライティングの書き方にまとめています
二次試験の準備も計画に入れる
一次試験から二次試験までは約5〜6週間しかないため、二次の準備は一次試験の翌日から始めます。 2026年度第2回なら、一次試験が10月4日、一次のウェブ合否公開が10月26日、二次試験が11月8日(A日程)または11月15日(B日程)です。合否を待ってから始めると、練習期間は2〜3週間になってしまいます。面接の流れと答え方は英検2級二次試験(面接)の対策で解説しています。
よくある失敗パターン
| 失敗 | なぜ起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 単語帳を仕上げてから演習しようとして、過去問が間に合わない | 単語だけで時間を使い切る | 単語は毎日30分と決め、演習と並行する |
| 長文ばかりで、ライティング・面接が手薄 | 得意なことに時間が偏る | 週の配分表を作り、毎週見直す |
| 直前1か月で初めて過去問を解き、時間配分に失敗 | 形式に慣れていない | 最初の診断で1回、最終月に2回解く |
| 添削なしで書き続け、同じミスが固定される | 自分では誤りに気づけない | 書いたら第三者に見てもらうことが大切 |
| 問題集を何冊も買い、どれも中途半端 | 新しい教材の方が効きそうに見える | 4つの教材に絞って使い切る |
まとめ
- 英検2級の勉強時間に公式の目安はない。まず公式過去問1回分で現状を診断する
- 必要な時間は現状で大きく変わるため、時間数を決め打ちせず、診断で技能ごとの正答率と弱い技能の数を見て準備期間を決め、途中の過去問で調整する
- 試験日と申込締切から逆算して週ごとの量を決める(記事の週15時間・週9時間は、技能ごとの割り振り方を示す一例で、合格に必要な時間の目安ではない)
- 教材は単語帳・文法問題集・問題集・公式過去問の4つに絞って使い切る
- 二次試験の準備は一次試験の翌日から
- 時間が足りなければ、受験回をずらす・S-CBTを使うなど計画を柔軟に
英検専科の指導について
英検専科は、英検に特化した完全1対1の個別指導塾です。英語の授業は、代表・長延映寛(代表・英語科主任)が設計した指導法のもとで、代表が育成した講師が担当します。代表による直接指導は指名オプション(1回あたり+2,200円・税込)でご利用いただけます。英検対策の講師陣は、英検1級をはじめ、英検準1級・TOEIC850点以上などの高難度の英語資格を持つ講師で構成しています。2級の指導では、最初に現状を診断し、受験する回から逆算して一人ひとりの学習計画を作ります。
授業外の質問・添削は、学習アプリ English LABO の AI 機能で受けられ、LINE・メールでも受け付けています(回数無制限・無料)。実績は、受講開始から3ヶ月以内に次の級を受験した受講生の合格率 95%超(受講開始から3ヶ月以内に受験した回で最終合格した人の割合。3級以上は同じ回の二次試験まで合格、4級・5級は一次試験の合格。開校以来の全受講生が対象・当教室調べ)です。合格を保証するものではありません。代表は、生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞しています。2級の対策内容は英検2級コースをご覧ください。