はじめに
2024年度の第1回試験から、英検は大きくリニューアルされました。とくにライティングセクションに新形式の問題が加わり、「これまでのテンプレートだけでは戦えなくなった」という声を指導現場でも多く耳にします。
本記事では、英検対策を専門に行う講師の立場から、2024年度英検リニューアルの全変更点と、級ごとに何をどう対策すべきかを整理します。読み終える頃には、ご自身の受験級で最初に取り組むべき優先順位がはっきり見えるはずです。
結論:変わったのは「ライティング」中心
リニューアルの中心はライティング問題の追加です。
- 上位3級(1級・準1級・2級):従来の「意見論述」に加え、新たに「英文要約」が追加
- 下位2級(準2級・3級):従来の「意見論述」に加え、新たに「Eメール」が追加
- 試験時間と他セクションの構成:原則として大きな変更なし
「要約は上位3級、Eメールは下位2級」という対応関係を取り違える受験者が非常に多いので、まずここを固定してください。
一次試験全体の試験時間自体には大きな変更がないため、新形式問題が増えた分、1問あたりにかけられる時間がシビアになった点も大きなポイントです。
1級〜2級の要約問題とは
要約問題は、提示された英文を、指定語数でまとめる新形式です。指定語数は級によって異なり、2級が45〜55語、準1級が60〜70語、1級が90〜110語です(2025年度以降は「目安」ではなく指定語数として扱われます)。
評価される観点
英検協会の発表によれば、要約問題の採点は「内容・構成・語彙・文法」の4観点で各4点満点、合計16点で行われます。意見論述と同じフレームです。
落とし穴
- 原文をそのまま書き写すと「自分の言葉に直していない」と判定され大きく減点される
- 各段落の中心文を見抜けず、枝葉の情報を要約に含めてしまう
- 時間配分を意見論述に取られすぎ、要約が雑になる
- 指定語数の範囲から外れる
準2級・3級のEメール問題とは
Eメール問題は、外国人の友人から届いたメールに返信を作成する形式です。ただし、準2級と3級で求められることが違います。
- 3級(15〜25語):友人のメールに含まれる2つの質問に答える
- 準2級(40〜50語):友人の質問に答えたうえで、メール本文の下線部について自分から2つ質問する
「2つの質問に答える」のは3級、「自分から2つ質問する」のが準2級です。参考書や動画を選ぶときは、級を取り違えないよう注意してください。
採点ポイント
Eメール問題の採点は「内容・語彙・文法」の3観点×各4点=12点満点です(意見論述の4観点16点満点とは異なります)。
- 求められている課題に漏れなく対応できているか
- 文と文がつながった自然な応答になっているか
- メールにふさわしい挨拶・締めの定型が使えているか
よくある失敗例
- 3級で質問を1つしか答えていない/準2級で質問を1つしかしていない
- 自分が話したい内容に終始し、相手の質問への返答が薄い
- "Dear ~"・"Best wishes," などのメール定型を抜かしてしまう
2025年度の追加変更:準2級プラスの新設
2025年度からは新たに「準2級プラス」が設けられ、英検は現在8階級(1級・準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級)となっています。準2級と2級の間の学習ギャップを埋める級で、一次の合格基準は1402点、二次は427点です。準2級に受かった後の次の一歩として検討する価値があります。
効果的な対策の進め方
1. 過去問は2024年度以降のもの中心で
2023年度以前の過去問はライティング以外のセクションでは引き続き有効ですが、ライティングの形式練習には2024年度以降の問題を必ず使ってください。
2. 「型」を体に染み込ませる
要約・Eメールいずれも、自分が確実に書ける型(テンプレート)を1つ持っておくことが得点安定への近道です。本番で考え込む時間を最小化できます。
3. 添削を必ず受ける
自己採点だけでは「採点基準に対してどこが不足しているか」が見抜けません。指導者から具体的なフィードバックを受け、書き直しまでセットで行うことで定着します。
まとめ
- 2024年度英検はライティング中心の改訂
- 上位3級(1級・準1級・2級)は「英文要約」、下位2級(準2級・3級)は「Eメール」が新登場
- 要約は4観点×4点=16点満点、Eメールは3観点×4点=12点満点
- 準2級と3級でEメールの課題が違う(自分から質問する/質問に答える)
- 2025年度からは準2級プラスが加わり8階級に
- 過去問は2024年度以降を使い、必ず添削を受けて書き直す
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