はじめに
「英検を受けたいけれど、S-CBTと従来型のどちらにすればいいですか?」という質問は、英検を受ける生徒・保護者からとても多く寄せられます。
英検S-CBTは、コンピューターで受験する英検です。日本英語検定協会は、S-CBTと従来型は実施方式が違うだけで、問題形式・難易度・級の認定・合格証明書・英検CSEスコアはすべて同じだと説明しています。つまり、どちらで合格しても資格の価値は変わりません。
一方で、試験日程や受けられる級、解答方法、検定料は大きく違います。この記事では2026年度の公式情報をもとに、次の内容を整理します。
- 英検S-CBTと従来型の違い(一覧表)
- 日程・対応級・1日の流れ・解答方法・検定料の詳しい比較
- 目的別の選び方
- 受験前にやっておくべき準備と、よくある失敗
結論:英検S-CBTと従来型の違いを一覧表で比較
まず全体像を表で確認しましょう。
| 項目 | 英検(従来型) | 英検S-CBT |
|---|---|---|
| 実施回数 | 年3回(第1回〜第3回) | 原則毎週土日(一部エリアは平日も) |
| 対応級 | 1級〜5級の全8階級 | 準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級の5階級 |
| 試験日数 | 一次試験と二次試験(面接)の2日 | 1日で4技能すべて |
| スピーキング | 面接委員との対面の面接 | ヘッドセットで録音する吹込み式 |
| リーディング・リスニング | 問題冊子とマークシート | PC画面を見てマウスで解答 |
| ライティング | 解答用紙に手書き | 申込時に筆記型かタイピング型を選択 |
| 同じ級の受験 | 原則各回1回(条件を満たせば重願受験で2回) | 同一検定回で最大3回まで |
| 資格としての扱い | 同じ(級・CSEスコア・合格証明書) | 同じ |
大まかに言えば、受験日を柔軟に選びたい人や1日で終わらせたい人はS-CBT、1級・4級・5級を受ける人や紙の試験に慣れている人は従来型が候補になります。ただし最適な選択は、受験の目的や時期、得意な解答方法によって変わります。以下で順に見ていきましょう。
違い1:試験日程|S-CBTは原則毎週土日に実施
従来型は年3回
従来型は年3回の実施で、2026年度の個人申込(本会場)の日程は次のとおりです。
| 回 | 一次試験 | 二次試験A日程 | 二次試験B日程 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 5月31日(日) | 7月5日(日) | 7月12日(日) |
| 第2回 | 10月4日(日) | 11月8日(日) | 11月15日(日) |
| 第3回 | 1月24日(日) | 2月28日(日) | 3月7日(日) |
本会場の二次試験は、年齢によって日程が分かれます。満20歳以下(2005年4月2日以降生まれ)はB日程、満21歳以上はA日程です。中高生の多くはB日程になります。なお、学校や塾などの準会場で受ける場合は日程が異なるため、申込先で確認してください。
S-CBTは原則毎週土日
S-CBTは原則として毎週土日に実施され、一部のエリアでは平日にも実施されています。ただし、級や地域によっては毎週実施されない場合があり、準1級と準2級プラスは実施日が限られています。受けたい日が決まっている場合は、早めに試験日程と会場を確認しましょう。
また、S-CBTは同一検定回で同じ級を最大3回まで受験できます。従来型との併願も可能です。「年に何回まで」といった年間の上限ではなく、「同じ検定回の中で3回まで」というルールである点に注意してください。
違い2:対応級|1級・4級・5級は従来型のみ
- 従来型:1級・準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級の全8階級
- S-CBT:準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級の5階級
1級を受ける方、4級・5級から英検を始めるお子さまは、従来型を選ぶことになります。準2級プラスは2025年度に新設された級で、S-CBTでも受験できます。
違い3:1日の流れ|S-CBTはスピーキングから始まる
従来型の流れ
従来型は、まず一次試験(リーディング・ライティング→リスニング)を受け、合格した人だけが後日の二次試験(面接)に進みます。一次試験に合格すれば、二次試験で不合格になっても一定期間は一次試験が免除される制度があります(詳細は公式サイトで確認してください)。
S-CBTの流れ
S-CBTは1日で4技能を測定し、次の順番で進みます。
- スピーキング:ヘッドセットを装着し、画面の指示に従って話した音声を録音する
- リスニング:画面の問題と選択肢を見ながら音声を聞き、マウスで解答する
- リーディング:画面の問題を読み、マウスで解答する
- ライティング:筆記型なら解答用紙に、タイピング型ならキーボードで解答する
最初にスピーキングがあるため、朝一番から英語を声に出せる状態で会場に入ることが大切です。また、面接委員と向き合う従来型の面接とは違い、画面に向かって話すため、「相手がいないと話しにくい」と感じる人もいれば、「対面より緊張しない」と感じる人もいます。
S-CBTにも一次試験免除の制度があり、免除資格の有効期限は「資格を取得した検定回から翌年度の同一検定回まで」とされています。
違い4:解答方法|画面で読む・マウスで答える・書き方を選べる
S-CBTでは、問題はすべてPC画面に表示されます。リスニングとリーディングはマウスで選択肢をクリックし、ライティングは申込時に筆記型かタイピング型を選びます。
公式サイトでは、タイピング型は1分間に30文字を入力できる程度のタイプスピードがあれば解答に支障はないとしつつ、PC操作が苦手な方には筆記型を勧めています。キーボードの持ち込みや配列設定の変更はできません。
自分に合うのはどちら?チェックリスト
次の項目に多く当てはまる人は、S-CBTに向いている可能性があります。
- 長文を画面で読んでも疲れにくい
- 問題冊子に書き込みをしなくても解ける
- 対面の面接より、録音のほうが落ち着いて話せる
- 部活動や学校行事が多く、年3回の日程では受けにくい
- 1日で4技能を終わらせたい
逆に、「問題文に線を引きながら読みたい」「面接官の表情を見ながら話したい」という人は、従来型のほうが実力を出しやすいかもしれません。
違い5:検定料|2026年度はS-CBTのほうがやや高い
2026年度の検定料(税込)は次のとおりです。従来型は個人申込・本会場の金額です。
| 級 | 従来型(本会場) | S-CBT |
|---|---|---|
| 1級 | 12,400円 | 実施なし |
| 準1級 | 10,400円 | 10,500円 |
| 2級 | 9,000円 | 9,600円 |
| 準2級プラス | 8,600円 | 9,200円 |
| 準2級 | 8,400円 | 9,000円 |
| 3級 | 6,800円 | 7,700円 |
| 4級 | 4,600円 | 実施なし |
| 5級 | 4,000円 | 実施なし |
S-CBTは同じ回で何度も受けられる反面、受験回数が増えれば検定料の総額も増えます。検定料は年度ごとに改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の金額を確認しましょう。
違い6:大学入試・資格としての扱い
前述のとおり、S-CBTと従来型は級の認定もCSEスコアも同じで、多くの大学・短大で入試に活用されています。ただし、どの試験方式のどの成績を、いつまでに、どの形式で提出するかは大学・学部・入試方式ごとに決められています。志望校の募集要項で確認しておきましょう。大学入試での使われ方は英検が大学入試で有利になる仕組みの記事で詳しく解説しています。
どっちがいい?目的別の選び方
| こんな人 | おすすめの方式 | 理由 |
|---|---|---|
| 1級を受けたい | 従来型 | S-CBTは1級を実施していない |
| 4級・5級から始める小中学生 | 従来型 | S-CBTは4級・5級を実施していない |
| 初めて3級・準2級を受ける中学生 | どちらでも可 | 紙に慣れているなら従来型、PC操作に抵抗がなければS-CBT |
| 入試の出願までに時間がない高校生 | S-CBTも検討 | 受験日の選択肢が多い |
| 面接が苦手で対面だと緊張する | S-CBTも検討 | 吹込み式で録音する |
| 画面で長文を読むのが苦手 | 従来型 | 問題冊子に書き込みながら解ける |
どちらを選ぶ場合も、「受けられる回数が多い=合格しやすい」わけではないことを覚えておいてください。受験の間に弱点を直さなければ、同じ結果を繰り返すだけになってしまいます。
S-CBTを受ける前にやっておくべき準備
- 公式の体験版を試す:本番に近い画面で操作を体験できます。画面の見え方やマウス操作に不安がないか確認しましょう。
- 画面で長文を読む練習をする:過去問のPDFをタブレットやPCで表示して解くと、画面上で読む感覚に慣れられます。
- ライティングの方式を決める:タイピングに不安があれば筆記型を選びましょう。タイピング型を選ぶなら、制限時間内に英文を入力する練習が必要です。
- 録音して話す練習をする:スマートフォンで自分の解答を録音して聞き返すと、声の大きさや沈黙の長さに気づけます。
従来型を受ける前にやっておくべき準備
- マークシートの記入練習:特に年少の受験者は、解答欄をずらさずに塗る練習をしておきましょう。
- 一次試験と二次試験の間の計画:一次試験の後すぐに面接対策を始められるよう、面接の流れを事前に把握しておきます。
- 持ち物の確認:2026年度から、1級〜3級は顔写真付き身分証明書の原本提示が必須です(下記参照)。
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| S-CBTで同じ級を短い間隔で何度も受け、同じ点数を繰り返す | 受験の間に成績表で弱い技能を確認し、そこを直してから次を受ける |
| 準1級のS-CBTを直前に探して、希望日が取れない | 実施日が限られているため、早めに日程と会場を確認する |
| タイピング型を選んだが入力が追いつかない | 入力に不安があるなら筆記型を選ぶ |
| 顔写真付き身分証明書を忘れる | 前日に受験票と一緒にかばんに入れる |
| 教材を増やしすぎて、どれも中途半端になる | 級別の単語帳・文法書・過去問に絞り、正確に解けるまで繰り返す |
最後の失敗は、S-CBTか従来型かに関係なく起こりやすいものです。受験回数を増やすことよりも、使う教材を絞り込み、単語と文法を徹底して「わからない」を減らしてから受験するほうが、少ない回数で合格に近づきやすくなります。
2026年度からの注意:顔写真付き身分証明書が必須
2026年度第1回検定から、従来型(本会場の一次・二次試験)とS-CBTの1級〜3級の受験者は、試験当日に協会が定める顔写真付き身分証明書の原本提示が必須になりました。学生証・生徒手帳(デジタル学生証を除く)、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが対象で、コピーやスマートフォンの画像は認められません。
S-CBTの受験票は受験者マイページからダウンロードし、A4サイズで印刷して持参します。スマートフォンの画面での提示は無効です。万一当日に身分証明書を忘れた場合は、所定の手続きと期限内の提出が必要で、完了しないと成績は無効(認証失格)になります。
まとめ
- S-CBTと従来型は資格としての価値が同じ(級・CSEスコア・合格証明書)
- S-CBTは原則毎週土日・1日で4技能・同一検定回で同じ級を3回まで
- 従来型は全8階級に対応。1級・4級・5級は従来型のみ
- S-CBTはスピーキングから始まり、ライティングは筆記型かタイピング型を選べる
- 2026年度の検定料はS-CBTのほうがやや高い。最新の金額は公式サイトで確認
- 受験回数より、受験の間に弱点を直すことが大切
- 2026年度から1級〜3級は顔写真付き身分証明書の原本が必須
英検専科の指導について
英検専科は、英検に特化した完全1対1の個別指導塾です。英語の授業は、代表・長延映寛(代表・英語科主任)が設計した指導法のもとで、代表が育成した講師が担当します。代表による直接指導は指名オプション(1回あたり+2,200円・税込)でご利用いただけます。英検対策の講師陣は、英検1級をはじめ、英検準1級・TOEIC850点以上などの高難度の英語資格を持つ講師で構成しています。志望校や学校行事の予定、現在の力をふまえて、「S-CBTと従来型のどちらで、いつ受けるか」まで一緒に考えます。
授業外の質問・添削は、学習アプリ English LABO の AI 機能で受けられ、LINE・メールでも受け付けています(回数無制限・無料)。実績は、受講開始から3ヶ月以内に次の級を受験した受講生の合格率 95%超(受講開始から3ヶ月以内に受験した回で最終合格した人の割合。3級以上は同じ回の二次試験まで合格、4級・5級は一次試験の合格。開校以来の全受講生が対象・当教室調べ)です。合格を保証するものではありません。代表は、生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞しています。受験する級ごとの対策は級別の英検対策でご覧いただけます。