はじめに
「子どもがはじめて英検を受けることになったけれど、何を準備すればいいのか分からない」。英検5級・4級は、小学生や中学1年生が最初に挑戦することの多い級です。一方で、保護者の方にとっても試験会場の雰囲気やマークシート、スピーキングテストの扱いなど、分かりにくい点が少なくありません。
この記事では、日本英語検定協会の公式サイトに掲載されている情報をもとに、5級・4級の試験内容と時間、スピーキングテストの受け方、申込方法、当日の流れ、家庭でできる準備を順番に整理します。なお、試験の仕様や日程は変更されることがあるため、お申し込み前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
英検5級・4級はどんな試験?
公式サイトでは、各級の目安を次のように示しています。
- 5級:中学初級程度。初歩的な英語を理解し、それを使って表現することが求められます。
- 4級:中学中級程度。簡単な英語を理解し、それを使って表現することが求められます。
どちらの級も、合否(級の認定)は一次試験(リーディング・リスニング)の結果だけで決まります。3級以上のように面接の二次試験はありません。その代わりに、申込者全員が受けられるスピーキングテストが別に用意されています(後ほど詳しく説明します)。
英検は年3回、第1回(5月下旬〜7月中旬)、第2回(9月下旬〜11月下旬)、第3回(翌年1月中旬〜3月上旬)に実施されています。また、同じ検定回で隣り合う2つの級を受ける「ダブル受験」も可能です(申し込みは級ごとに行います)。
試験時間と問題構成
5級:リーディング25分・リスニング約20分(全50問)
| 技能 | 大問 | 形式 | 問題数 | 解答形式 |
|---|---|---|---|---|
| リーディング | 1 | 短文の語句空所補充 | 15 | 4肢選択 |
| リーディング | 2 | 会話文の文空所補充 | 5 | 4肢選択 |
| リーディング | 3 | 日本文付き短文の語句整序(並べ替え) | 5 | 4肢選択 |
| リスニング | 1 | 会話の応答文選択(補助イラスト付き) | 10 | 3肢選択(選択肢読み上げ) |
| リスニング | 2 | 会話の内容一致選択 | 5 | 4肢選択(選択肢印刷) |
| リスニング | 3 | イラストの内容一致選択 | 10 | 3肢選択(選択肢読み上げ) |
場面は家庭・学校・地域・電話など、話題は家族、友達、趣味、買い物、天気、自己紹介といった身近なものが中心です。
4級:リーディング35分・リスニング約30分(全65問)
| 技能 | 大問 | 形式 | 問題数 | 解答形式 |
|---|---|---|---|---|
| リーディング | 1 | 短文の語句空所補充 | 15 | 4肢選択 |
| リーディング | 2 | 会話文の文空所補充 | 5 | 4肢選択 |
| リーディング | 3 | 日本文付き短文の語句整序(並べ替え) | 5 | 4肢選択 |
| リーディング | 4 | 長文の内容一致選択 | 10 | 4肢選択 |
| リスニング | 1 | 会話の応答文選択(補助イラスト付き) | 10 | 3肢選択(選択肢読み上げ) |
| リスニング | 2 | 会話の内容一致選択 | 10 | 4肢選択(選択肢印刷) |
| リスニング | 3 | 文の内容一致選択 | 10 | 4肢選択(選択肢印刷) |
5級との大きな違いは、リーディングに長文の内容一致選択(大問4)が加わることです。題材は掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文などで、「英文をまとまりとして読む力」が求められます。リスニングも、5級にはない「文の内容一致選択」(物語文や説明文を聞いて答える問題)が入ります。
各級の詳しい出題傾向や対策は、英検5級の対策ページ・英検4級の対策ページでもまとめています。
リスニングはすべて2回放送
5級・4級とも、リスニングは全問題が2回ずつ放送されます。はじめての子どもには、次のように伝えておくと落ち着いて取り組めます。
- 1回目は「だいたい何の話か」をつかむつもりで聞く
- 2回目で答えを確かめてからマークする
- 分からなくても、次の問題が始まったら気持ちを切り替える
特に選択肢が読み上げられる問題(問題冊子に選択肢が印刷されていない問題)は、聞きながら「これかな」と思った番号を問題冊子に小さくメモしておくと、迷ったときに役立ちます。
スピーキングテストの扱い
受けるかどうかは任意、級の合否には影響しない
5級・4級のスピーキングテストについて、公式サイトのポイントは次のとおりです。
- 受験は任意で、受験したかどうかや結果は5級・4級の級認定に一切影響しません
- 一次試験を申し込めば、あらためてスピーキングテストを申し込む必要はありません
- 一次試験の合否や、一次試験を受けたかどうかに関係なく、申込者全員が受験できます
- 合格すると「5級(4級)スピーキングテスト合格」として、一次試験とは別に判定されます
「スピーキングが苦手だから受からないのでは」と心配される保護者の方もいますが、級の合否は一次試験だけで決まるので安心してください。
自宅でパソコンやスマートフォンから受ける録音式
スピーキングテストは面接委員との対面式ではなく、パソコン・スマートフォン・タブレットなどから専用サイトにアクセスし、解答を録音する形式です。自宅や学校で受験でき、公開会場での実施はありません。端末内蔵のマイクでも受験できますが、一部のパソコンにはマイクが内蔵されていない場合があるので事前に確認しておきましょう。
| 級 | 時間 | 問題の内容 |
|---|---|---|
| 5級 | 約3分 | 20語程度の英文の音読(1問)、英文の内容についての質問(2問)、受験者自身のことなど日常生活についての質問(1問) |
| 4級 | 約4分 | 25語程度の英文の音読(1問)、英文の内容についての質問(2問)、イラストについての質問(1問)、受験者自身のことなど(1問) |
受験できるのは、申し込んだ回の一次試験の合否閲覧日からで、1回の申し込みにつき1回だけです。受験期間は長く設定されており、たとえば2026年度第2回検定は、2026年10月26日(月)13時から2027年11月14日(日)23時59分までとなっています。結果は原則として受験日から30日以内にウェブ上で確認でき、成績の郵送はありません。
公式サイトは、年少の受験者の場合、受験環境の準備が難しいときは保護者が受け方を説明し手助けするよう案内しています。ただし、テストそのものは必ず本人が受けることが求められています。特設サイトには問題見本も公開されているので、一度一緒に見ておくと安心です。
S-CBTでは受けられない点に注意
コンピュータで受ける「英検S-CBT」は、実施級が準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級です。1級・4級・5級はS-CBTの対象外なので、5級・4級は従来型の英検で受験します。
申込方法と試験会場
申し込み方法は大きく3つあります。
- 通っている学校・塾で申し込む(団体申込):日程や会場、検定料の支払い方法は団体ごとに異なるため、英検担当の先生に確認します。
- 近くの一般受験者受け入れ団体で申し込む(団体申込):所属先で英検を実施しない場合に利用できます。
- 個人で申し込む(個人申込):インターネット申込またはコンビニ申込です。インターネット申込には、協会の「生涯学習アカウント」の登録・ログインが必要です。
個人申込の場合は協会が設ける「本会場」で受験し、会場は希望受験地をもとに協会が決め、試験日の6日前までに受験票で知らされます。学校や塾などが設ける「準会場」は2級〜5級のみの実施です。
試験当日の流れと持ち物
ここでは、個人申込で受験する本会場の場合を中心に、公式サイトの案内をまとめます。学校や塾などで申し込む準会場(団体申込)では、受付の方法・座席・保護者の付き添い・来場手段などを実施団体が決めていることがあります。団体申込の場合は、申し込んだ学校・塾の案内を優先してください。
持ち物と服装
- 一次受験票
- HBの黒鉛筆またはシャープペンシル(サインペン・ボールペン・万年筆などを使うと無効になります)
- 消しゴム
公式の「英検 for kids!」では、マークシートが塗りにくいときは、先のとがった鉛筆より少し先が丸くなった鉛筆をすすめています。服装の指定はありませんが、英文字がプリントされた服は避けるよう案内されています。土足禁止の会場では上履きが必要です。また、本会場へは公共交通機関で向かうことが求められており、送迎を含め車での来場は禁止されています。
会場に着いてから(本会場の場合)
- 4級・5級は、一次受験票を持っていれば受付でのチェックは不要で、そのまま教室に入れます
- 座席は自由です。学校などの机・椅子を使うため、必要に応じて座布団やクッションを持ち込めます
- 保護者は試験開始5分前まで、解答用紙の記入の代筆・補助のために教室に入れます
- 記入が終わったら保護者は退室し、試験終了まで会場の外で待ちます。保護者控室はないため、終了後の待ち合わせ場所を事前に決めておきましょう
- トイレは着席時間までに済ませます。リスニングテストの準備時間中・テスト中は途中退席ができません
- 試験終了後は答案の点検が終わるまで退室できず、点検には10分程度かかります
マークシートで気をつけたいこと
解答は必ず解答用紙(マークシート)に記入します。問題冊子にメモをしてもかまいませんが、試験終了後に解答を書き写す時間はありません。「問題冊子に答えを書いたのにマークしていなかった」という失敗は、公式サイトでも注意が呼びかけられています。1問解くごとにマークする習慣をつけておきましょう。
また、試験中は問題の内容や解答方法についての質問には答えてもらえません。「分からない問題が出ても大丈夫、飛ばして次へ進もう」と事前に伝えておくと、子どもは落ち着いて取り組めます。
小学生・中学1年生の準備の進め方
ステップ1:過去問で「今の位置」を知る
公式サイトでは、各級の過去1年分の一次試験の問題と解答が、本番と同じ問題冊子・解答用紙・リスニング音声とともに公開されています。まずは実際の試験時間を目安に、親子で一度解いてみましょう。結果から「知らない単語が多い」「内容が分からない」「時間が足りない」など、課題の種類が見えてきます。
ステップ2:単語と基本の文法を固める
5級・4級のリーディングは、短文の空所補充と並べ替えが中心です(5級は全25問、4級は35問中25問)。どちらも単語の意味と語順のルールが分かっていることが前提になります。
- 単語は「見て意味が分かる」だけでなく、音声を聞いて意味が分かるところまで練習する
- 並べ替え問題は「主語+動詞」から組み立てる習慣をつける
- 4級では長文が加わるため、短い英文を毎日1つ読む時間をつくる
ステップ3:リスニングは毎日少しずつ
リスニングは、慣れるまでに時間がかかりやすい分野です。過去問の音声を使い、1日10分程度でもよいので毎日聞く時間をとりましょう。慣れてきたら、英文を見ながら音声に合わせて読む練習をすると、スピーキングテストの音読の準備にもなります。
ステップ4:試験1か月前から本番形式で
公式の「英検 for kids!」は、試験1か月前くらいに、静かな環境で時間を計って過去問を解くことをすすめています。このとき、解答用紙(マークシート)を印刷して、実際に塗りながら解くのがおすすめです。解答用紙の見本は公式サイトからダウンロードでき、必要事項を記入したコピーを当日持っていくこともできます。
家庭でできる声かけ
- 長時間座って集中する練習として、週末に本番と同じ時間で過去問を解く
- 「具合が悪い」「トイレに行きたい」ときは手を挙げて伝えればよいことを教えておく
- 結果よりも、最後まで取り組めたことをほめる
5級・4級で身につけた単語と文法は、そのまま3級以降の土台になります。先を見すえた学習の流れは、英検3級の対策ページも参考にしてください。
英検専科の指導について
英検専科では、完全1対1の個別指導で、英検合格に欠かせない単語と文法の土台づくりを徹底しています。「なぜこの答えになるのか」を明快なロジックで説明し、お子さまの「わからない」をひとつずつゼロにしていくことを大切にしています。はじめての英検で何から始めればよいか迷ったときは、無料体験授業のお申し込みからお気軽にご相談ください。
出典・参考
- 5級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 5級の試験内容|日本英語検定協会
- 4級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 4級の試験内容|日本英語検定協会
- 4級・5級スピーキングテストのご紹介(テストの特長)
- 4級・5級スピーキングテスト 保護者の皆様へ
- 4級・5級スピーキングテスト 合否判定
- 4級・5級スピーキングテスト 受験期間
- 4級・5級スピーキングテスト よくあるご質問
- 英検S-CBTについて
- 英検を知る(年3回の実施)
- 受験を検討している方(申込の種類・会場・ダブル受験)
- 個人でのお申し込み
- 解答用紙の記入方法
- 英検 for kids! 当日のスケジュール&持ち物リスト
- 英検 for kids! 試験を受ける上での注意
- 英検 for kids! 英検の問題内容について知ろう
- 英検 for kids! 解答用紙&面接カードの書き方