はじめに
「英検を受けてみたいけれど、何級から受ければいいのか分からない」。はじめて英検を受ける生徒や保護者の方から、とてもよく聞く悩みです。
英検は5級から1級まで8つの級があり、日本英語検定協会の公式サイトでは「英語レベルに応じて、どの級からでもスタートすることができます」と案内されています。つまり、必ずしも5級から順番に受ける必要はありません。自由に選べるからこそ、「低すぎて意味がないのでは」「高すぎて落ちたらどうしよう」と迷ってしまうのです。
この記事では、公式の各級の目安をもとに、学年別の考え方、過去問で今の実力を測る方法、ダブル受験や飛び級の判断、入試での活用を見据えた級の選び方を順番に解説します。
英検の級は全部で8つ|公式の各級の目安
英検の級は、5級・4級・3級・準2級・準2級プラス・2級・準1級・1級の8つです。公式サイトの「各級の目安」ページでは、それぞれの推奨目安が次のように示されています。
| 級 | 公式の推奨目安 | 試験の構成 |
|---|---|---|
| 5級 | 中学初級程度 | リーディング・リスニング(別に録音形式のスピーキングテスト) |
| 4級 | 中学中級程度 | リーディング・リスニング(別に録音形式のスピーキングテスト) |
| 3級 | 中学卒業程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
| 準2級 | 高校中級程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
| 準2級プラス | 高校上級程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
| 2級 | 高校卒業程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
| 準1級 | 大学中級程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
| 1級 | 大学上級程度 | 一次(リーディング・ライティング・リスニング)+二次(面接) |
1級については、「各級の目安」ページでは「大学上級程度」とされていますが、1級の級別ページでは「程度」という表現ではなく、「英検の試験において最終目標となる級」と説明されています。
ここでいう「中学初級程度」「高校卒業程度」は、あくまで学習内容の目安です。「中学1年生だから5級」「高校3年生だから2級」と、学年だけで機械的に決めるものではありません。同じ学年でも、英語を学んできた期間や得意・不得意によって、ふさわしい級は変わります。
なお、4級・5級のスピーキングテストの結果は、級の認定には影響しません。面接(二次試験)が加わるのは3級からです。
何級から受けるか決める3つの基準
結論から言うと、受ける級は「今の実力」「学校での学習段階」「目的と期限」の3つを組み合わせて決めるのがおすすめです。
- 今の実力:過去問を解いて、実際にどのくらい取れるかを確認する(方法は後ほど詳しく説明します)
- 学校での学習段階:公式の目安と、学校で習った文法や単語の範囲を照らし合わせる
- 目的と期限:高校入試や大学入試で使いたいのか、学習の目標にしたいのか。いつまでにその級が必要か
この3つのうち、最も頼りになるのは1の「今の実力」です。目安や学年はあくまで出発点で、最終的には過去問の結果を見て判断しましょう。
小学生は何級から受ける?
小学生の場合は、5級か4級が出発点の候補になります。5級の目安は「中学初級程度」で、試験はリーディングとリスニングのみ。問題も、家族や学校、趣味など身近な話題が中心です。
選び方の考え方は次のとおりです。
- 英語を習い始めて間もない、アルファベットや簡単な単語を学んでいる段階なら、まずは5級を目標にする
- 5級の過去問で安定して得点できるなら、4級の過去問も試してみる
- 英語の学習歴が長く、4級の過去問も十分に解けるなら、3級を検討する。ただし3級からはライティング(Eメール・英作文)と面接が加わるため、「英語で文を書く」「英語で質問に答える」練習が必要になります
小学生の場合、合否だけでなく「最後まで集中して試験を受けられたか」も大切な経験です。はじめての受験では、無理に高い級を選ぶより、自信を持って臨める級を選ぶほうが、次の級への意欲につながりやすくなります。はじめての受験の準備については、はじめての英検5級・4級ガイドをご覧ください。
中学生は何級から受ける?
中学生は、学校で習った範囲と、公式の目安(5級:中学初級、4級:中学中級、3級:中学卒業程度)を照らし合わせるのが基本です。
- 中学1年生:英語を中学から本格的に始めた場合は、5級か4級が出発点の候補
- 中学2年生:4級の過去問が十分に解けるなら、3級に挑戦する選択肢もある
- 中学3年生:3級が目安。すでに3級レベルの文法を習い終えていれば、準2級も視野に入る
中学生が注意したいのは、学校でまだ習っていない文法が出題される級を選ぶと、独学で補う範囲が広くなることです。たとえば3級は「中学卒業程度」なので、中学3年生で習う文法も出てきます。先取りで受ける場合は、未習の文法を学ぶ時間を計画に入れておきましょう。
中学生のうちに準2級を目指す場合の考え方は、中学生で英検準2級は取れる?で詳しく解説しています。
高校生は何級から受ける?
高校生は、「今の実力」に加えて「大学入試でどう使うか」から逆算するのがおすすめです。公式の目安では、準2級が高校中級程度、準2級プラスが高校上級程度、2級が高校卒業程度です。
- 高校1年生:中学の内容が定着していれば、準2級が候補。準2級の過去問で余裕があれば、準2級プラスや2級も検討する
- 高校2年生:大学入試で英検を使う予定があるなら、志望校の要件を確認し、必要な級に向けて計画を立てる
- 高校3年生:入試の出願時期までに結果が出る回を逆算して受験する
高校生の場合、級によってライティングの問題の種類が変わる点にも注意が必要です。公式の試験内容によると、準2級はEメールと英作文、準2級プラスと2級は英文要約と英作文です。級を上げるときは、新しい問題形式の練習時間も見込んでおきましょう。
過去問で今の実力を測る方法
受ける級を決めるいちばん確実な方法は、候補の級の過去問を、本番と同じ時間で1回分解いてみることです。公式サイトでは、各級の過去1年(3回分)の一次試験の問題と解答、リスニング音源が公開されています。
手順
- 候補の級を1つ決める(公式の目安と学年から、いちばん近い級)
- 本番と同じ時間を計って、1回分を通しで解く(リスニングも音源を止めずに)
- 技能ごとに正答率を出す(リーディング・リスニング。3級以上はライティングも解答例と比べる)
- 結果に応じて、1つ上または1つ下の級の過去問も解いてみる
結果の見方
英検のスコア(英検CSEスコア)は、各回の答案をもとに統計的な手法で算出されるため、公式サイトでも「自分の正答数からスコアを算出することはできない」と説明されています。一方で、2016年度第1回の一次試験では、1級・準1級は各技能の正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の受験者の多くが合格した、という参考情報も示されています。
この参考情報をふまえて、次のように判断するとよいでしょう。
| 過去問の結果 | 考え方 |
|---|---|
| どの技能も参考の正答率を大きく上回る | 1つ上の級の過去問も解いて比べてみる |
| 参考の正答率の前後 | この級を目標に、弱い技能を中心に対策する |
| どの技能も参考の正答率を大きく下回る | 1つ下の級の過去問を解き、そちらから始めることも検討する |
| 1つの技能だけが大きく低い | 級は変えずに、その技能を重点的に対策する |
この表はあくまで目安です。特に、試験まで残り何か月あるかによって判断は変わります。残り期間が長ければ、今は少し届かない級を目標にしても十分に間に合う可能性があります。過去問の詳しい使い方は、英検の過去問の使い方で紹介しています。
ダブル受験という選択肢
英検では、同じ検定回で、隣接した2つの級を受験する「ダブル受験」ができます(申し込みは級ごとに行います)。たとえば「3級と準2級」「2級と準1級」のような組み合わせです。
ダブル受験が向いているケース
- 過去問の結果が、2つの級のちょうど間にある
- 下の級を確実に取りつつ、上の級にも挑戦したい
- 入試などで、ある時期までに一定の級が必要
注意したいこと
- 2つの級の対策を同時に進めることになり、どちらも中途半端になるおそれがある
- 申し込みは級ごとなので、検定料も2級分かかる
- 試験日程・会場・検定料は申込方法によって異なるため、申し込み前に公式サイトや申込先で確認する
ダブル受験をする場合も、中心に置く教材は増やしすぎないことが大切です。上の級の単語帳を1冊に絞り、下の級は過去問で形式を確認する、といった形で負担を抑えましょう。
飛び級はあり?判断の基準
前述のとおり、英検はどの級からでも受験できるので、下の級に合格していなくても上の級を受けられます。飛び級そのものに問題はありません。
判断の基準は次の3つです。
- 上の級の過去問で、目安に近い正答率が取れるか
- 飛ばす級の単語や文法に、大きな抜けがないか。上の級の問題は、下の級の内容を土台に作られています
- 新しく加わる形式に対応できるか。たとえば4級から3級に上がると、ライティングと面接が加わります
飛び級でいちばん気をつけたいのは、基礎に抜けがあるまま先へ進んでしまうことです。上の級に合格できたとしても、土台の単語や文法が曖昧なままだと、その次の級で伸び悩む原因になります。飛び級を目指す場合も、「下の級の単語と文法は完璧か」を一度確認してから進みましょう。
入試での活用を見据えた級の選び方
入試で英検を使う予定がある場合は、志望校が求める級やスコアから逆算して受ける級と時期を決めます。
高校入試
公式サイトの級別ページでも、英検が高校入試や大学入試で活用されていることが紹介されています。ただし、活用の方法や求められる級は、地域や学校によって異なります。協会の「活用校検索」では、得点換算・試験免除・加点などの活用方法ごとに学校を調べられますが、最新の情報は必ず志望校の募集要項で確認してください。
大学入試
大学入試では、級の合否に加えて、英検CSEスコアやCEFRレベルが使われることがあります。ここで注意したいのが、受けた級によって算出されるCEFRレベルの範囲が異なる点です。
公式サイトでは、「出願に必要なCEFRレベルが算出される級を受験してください」と案内されています。たとえば、CEFRのB2を求める大学の場合、公式サイトの利用例では、B2に該当するのは準1級と1級の一定以上のスコアで、2級では算出されません。2級で高いスコアを取ってもB2の証明にはならないため、必要なCEFRレベルに届く級を選ぶことが大切です。
大学入試での英検の活用については、英検を大学入試で活用するメリットでも詳しく紹介しています。
逆算の手順
- 志望校の募集要項で、求められる級・スコア・CEFRレベルと、成績の有効期限を確認する
- 出願時期までに結果が出る検定回を確認する
- 今の実力(過去問の結果)との差を見て、何回目の受験で届かせるかを決める
- 必要なら、手前の級を先に受けて段階的に上げる
級選びでよくある失敗
- 学年だけで決めてしまう:必ず過去問で実力を確認する
- 周りの友達と同じ級を選ぶ:学習歴や得意分野は人それぞれ
- 高すぎる級に挑戦し続けて、学習意欲が下がる:届かない場合は、一度手前の級で合格体験を積むのも一つの方法
- 入試の要件を確認しないまま受ける:必要なCEFRレベルが算出されない級を受けてしまうことがある
まとめ
- 英検は8つの級があり、公式サイトではどの級からでも受験できると案内されている
- 公式の推奨目安は、5級が中学初級程度、3級が中学卒業程度、2級が高校卒業程度、準1級が大学中級程度など。1級は「各級の目安」ページでは大学上級程度、級別ページでは「最終目標となる級」と説明されている
- 級は「今の実力」「学校での学習段階」「目的と期限」の3つで決め、最終的には過去問の結果で判断する
- 過去問は技能ごとの正答率を出し、必要に応じて上下の級も解いて比べる
- ダブル受験は隣接した2つの級で可能。飛び級もできるが、飛ばす級の単語・文法に抜けがないか確認する
- 大学入試で使う場合は、必要なCEFRレベルが算出される級を選ぶ
英検専科の指導について
英検専科は、英検5級から1級までを専門に扱う、完全1対1の個別指導教室です。無料体験授業では、お子さまの今の実力と目的をうかがい、どの級から受けるのがよいかを一緒に考えます。級が決まったら、その級に必要な教材を厳選し、単語と文法を徹底して、わからないをゼロにしながら合格を目指します。何級から受けるべきか迷ったときは、無料体験授業のお申し込みからお気軽にご相談ください。
出典・参考
- 各級の目安|日本英語検定協会
- 各級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 英検を知る|日本英語検定協会
- 1級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 3級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 4級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 5級の過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 準2級の試験内容|日本英語検定協会
- 準2級プラスの試験内容|日本英語検定協会
- 2級の試験内容|日本英語検定協会
- 受験を検討している方(ダブル受験)|日本英語検定協会
- 英検CSEスコアでの合否判定方法について|日本英語検定協会
- 英検成績を入試で利用される際の確認事項|日本英語検定協会
- 準2級プラスの過去問・試験内容|日本英語検定協会
- 英検・TEAP・IELTS 活用校検索|日本英語検定協会