はじめに
「準2級には合格したけれど、2級はまだ難しそう」「2級に挑戦したら点数が届かなかった」。そんな声に応える形で、2025年度から英検に準2級プラスという新しい級が加わりました。
この記事では、日本英語検定協会の公式サイトで確認できた情報だけをもとに、準2級プラスの試験内容・合格点・他の級との違いを整理します。この記事は級の概要の解説です。何から勉強するか・技能別の対策・学習計画は英検準2級プラスの勉強法、英検専科の準2級プラスのコースは英検準2級プラスの対策ページで紹介しています。
英検準2級プラスとは
準2級プラスは、日本英語検定協会が2025年度に準2級と2級の間に新設した級です。2025年度第1回検定から始まり、コンピュータで受験する英検S-CBTでも2025年6月実施分から受けられるようになりました。
新設の背景:準2級と2級の間の「高い壁」
公式の特設サイトでは、新設の理由として準2級と2級の間にある「高い壁」が挙げられています。受験者データを分析したところ、5級から準2級までは各級の合格におよそ1年ずつかかっているのに対し、準2級に合格してから2級に合格するまでには約2年近くかかっていることがわかったそうです。
そこで、2級を目指す途中の「身近な目標級」として準2級プラスが設けられました。なお、準2級プラスの新設によって、既存の級の出題範囲・出題形式・難易度・名称は変わっていません。
レベルの目安
公式サイトでは、準2級プラスの推奨目安は高校上級程度とされています(準2級は高校中級程度、2級は高校卒業程度)。英検Can-doリストでは、次のように位置づけられています。
- 準2級:日常的な話題について、基本的な語句を用いて概要を捉えたり伝えたりできる
- 準2級プラス:身近な社会的な話題について、概要や要点、詳細を理解し、多様な語句を用いて詳細に伝えられる
- 2級:社会的な話題について、文章や話の展開を把握しながら理解し、展開を考えながら詳細に伝えられる
また、公式のよくある質問では、語彙や文の構造は2級より負荷を低くしつつ、準2級よりも抽象度の高い話題について詳しい情報を処理する力を測る、と説明されています。「話題のレベルは2級寄り、使う英語は2級より少しやさしい」とイメージするとわかりやすいでしょう。
試験内容
試験は、一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(面接形式のスピーキング)に分かれています。
一次試験
試験時間はリーディング・ライティング85分、リスニング約25分です。
| 技能 | 形式 | 問題数 |
|---|---|---|
| リーディング | 短文の語句空所補充 | 17問 |
| リーディング | 長文の語句空所補充 | 6問 |
| リーディング | 長文の内容一致選択(Eメール・説明文) | 8問 |
| ライティング | 英文要約 | 1問 |
| ライティング | 英作文(意見論述) | 1問 |
| リスニング | 会話の内容一致選択(放送1回) | 15問 |
| リスニング | 文の内容一致選択(放送1回) | 15問 |
リーディングとリスニングはいずれも4肢選択で、選択肢は問題冊子に印刷されています。
ライティングの中身
準2級プラスのライティングは、英文要約と英作文の2問です。2026年度第1回の問題冊子では、次のような指示になっていました。
- 英文要約:英文を読み、その内容を25〜35語の英語で要約する
- 英作文:QUESTIONに対する自分の意見と、その理由を2つ英文で書く。語数の目安は50〜60語
要約問題は、内容・構成・語彙・文法の4つの観点で、それぞれ0〜4点の5段階で採点され、満点は16点とされています。どちらの問題も、指示に沿っていないと判断されると0点になる場合があると明記されているので、「聞かれたことに正面から答える」ことが大前提です。
二次試験(面接)
二次試験は、面接委員1人との個人面接で、時間は約7分です。
- 55語程度のパッセージを20秒黙読したあと、音読する
- No.1:パッセージの内容についての質問
- No.2:3コマのイラストの展開を説明する(考える時間は20秒)
- No.3:カードのトピックに関連した事柄について自分の意見を述べる
- No.4:日常生活の一般的な事柄について自分の意見を述べる
No.2のあとは問題カードを裏返し、カードを見ずに答えます。
合格点(合格基準スコア)
英検は、正答数から算出される英検CSEスコアで合否が決まります。公式サイトで公表されている合格基準スコアは次のとおりです。
| 級 | 一次試験の合格基準 | 一次試験の満点 | 二次試験の合格基準 | 二次試験の満点 |
|---|---|---|---|---|
| 準2級 | 1322 | 1800 | 406 | 600 |
| 準2級プラス | 1402 | 1875 | 427 | 625 |
| 2級 | 1520 | 1950 | 460 | 650 |
満点は、公式サイトに示された技能ごとの満点(準2級600点、準2級プラス625点、2級650点)をもとに、一次は3技能分、二次は1技能分として計算しています。
合格点について、知っておきたいポイントは3つです。
- 技能ごとにスコアが均等に配分されている:問題数に関係なく、リーディング・リスニング・ライティングのスコアの重みは同じです。ライティングは2問しかありませんが、リーディング31問と同じ重みを持ちます。
- 正答数から自分でスコアを計算することはできない:スコアは回ごとに統計的な手法で算出されるため、「何問正解すれば合格」という目安は示されていません。
- 技能のバランスが大切:公式サイトでは、2016年度第1回一次試験の例として、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格していたと紹介されています(準2級プラス新設前のデータです)。
準2級・2級との違い
公式の試験内容ページをもとに、3つの級を並べてみます。
| 項目 | 準2級 | 準2級プラス | 2級 |
|---|---|---|---|
| 目安 | 高校中級程度 | 高校上級程度 | 高校卒業程度 |
| リーディング・ライティングの時間 | 80分 | 85分 | 85分 |
| リーディング問題数 | 29問 | 31問 | 31問 |
| ライティング | Eメール(40〜50語)+英作文(50〜60語) | 英文要約(25〜35語)+英作文(50〜60語) | 英文要約(45〜55語)+英作文(80〜100語) |
| リスニング問題数 | 30問(3パート) | 30問(2パート) | 30問(2パート) |
| 面接の時間 | 約6分 | 約7分 | 約7分 |
| 音読パッセージ | 50語程度 | 55語程度 | 60語程度 |
※ライティングの語数は、2026年度第1回の各級の問題冊子に記載された指示によります。
準2級から見ると「形式は2級型」に変わる
準2級から準2級プラスに進むと、形式面で大きな変化があります。
- ライティングがEメール問題から英文要約に変わる
- リーディングの会話文の空所補充がなくなり、長文の語句空所補充が6問に増える
- リスニングの「会話の応答文選択(3択・選択肢は読み上げ)」がなくなり、2パート各15問の4択になる
- 面接のイラスト問題が、3コマのイラストの展開説明になる
実は、準2級プラスの一次試験の問題構成(問題数・形式)は2級とほぼ同じです。面接の流れも、音読のあとに3コマイラストの説明と意見を問う質問が続く点で2級と共通しています。2024年度から始まった各級の形式変更については、英検2024年度リニューアルの解説記事も参考にしてください。
2級から見ると「語数と負荷が軽い」
一方、2級と比べると次の点で負担が軽くなっています。
- 要約は2級の45〜55語に対して25〜35語
- 英作文は2級の80〜100語に対して50〜60語
- 2級の英作文では「TOPIC」と参考となる観点(POINTS)が示されるのに対し、準2級プラスは身近な「QUESTION」に答える形
- 語彙や文の構造は2級より負荷を低くする方針
つまり準2級プラスは、2級と同じ種類の問題に、少し短く・少しやさしい英語で取り組める級といえます。
準2級プラスが向いている人
公式の情報と試験の性質から考えると、次のような人に向いています。
準2級に合格し、次の目標を探している人
準2級から2級までは時間がかかりやすいことが、公式データでも示されています。2級に向けた途中の目標として準2級プラスを置くと、学習の見通しを立てやすくなります。
2級に挑戦したが、あと一歩届かなかった人
準2級プラスの問題構成は2級とほぼ同じなので、合格すれば「2級型の問題に対応できる力がついてきた」ことの確認になります。協会の発表でも、2025年度第1回の申込者には、前年度に準2級に合格した人や2級に不合格だった人が多く見られたとされています。
英文要約に慣れておきたい人
準2級のライティングにはない要約問題を、2級より短い語数で経験できます。いきなり2級の要約に取り組むよりも、段階的に力をつけられます。
ダブル受験を検討している人
英検には、連続した2つの級を受験できる制度(ダブル受験)があり、協会の発表では、2級と準2級プラス、準2級プラスと準2級を組み合わせる受験者が一定数いたと紹介されています。実施回や方式ごとの条件は、お申し込み前に公式サイトでご確認ください。
逆に、2級の過去問である程度安定して得点できている人は、準2級プラスを経由せずに2級を目指すのも自然な選択です。入試などでの扱いは学校ごとに異なるため、活用を考えている場合は志望校の募集要項を必ず確認しましょう。
合格に向けた学習のポイント
単語と文法の土台を固める
準2級プラスでは、身近な社会的な話題を扱う英文を、要点だけでなく詳細まで読み取る力が求められます。その土台になるのは、単語の意味を正確に知っていることと、文の構造を正しく取れることです。なんとなく読むのではなく、「この文の主語はどれか」「この節はどこにかかるのか」を説明できる状態を目指しましょう。
要約は「全体の流れ」をつかむ練習から
要約では、段落ごとの役割(話題の提示、よい点、問題点など)をつかみ、自分の言葉でまとめる力が問われます。本文を書き写すのではなく、段落ごとの要点をメモしてから25〜35語に収まるよう言い換える練習を重ねましょう。
英作文は「意見+理由2つ」の型を固める
英作文は、意見と理由2つという構成が指示で決まっています。まず意見を1文で示し、理由を2つ、それぞれ具体例や説明を添えて書く。この型を身につけるだけで、答案が安定します。
面接は3コマイラストの説明を練習する
準2級から進む人にとって、3コマイラストの展開説明は新しい課題です。コマごとに「誰が・何をしたか」を順番に説明する練習をしておきましょう。
試験日から逆算して計画を立てる
英検は年に複数回実施されます。受けたい回を決めたら、試験日から逆算して「単語・文法の土台固め」「形式ごとの演習」「過去問での総仕上げ」「面接練習」の時期を割り振ることが大切です。準2級の内容に不安が残る場合は、英検準2級対策ページで基礎を確認し、その先の目標として英検2級対策ページもあわせてご覧ください。
まとめ
- 英検準2級プラスは、2025年度に準2級と2級の間に新設された級で、推奨目安は高校上級程度
- 一次試験はリーディング・ライティング85分、リスニング約25分。ライティングは英文要約(25〜35語)と英作文(50〜60語)
- 二次試験は約7分の個人面接で、3コマイラストの展開説明がある
- 合格基準スコアは一次1402、二次427(英検CSEスコア)
- 問題構成は2級とほぼ同じで、語数や英語の負荷は2級より軽い
- 準2級合格後の次の目標や、2級への足がかりとして活用しやすい
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出典・参考
- 準2級プラスの過去問・試験内容(日本英語検定協会)
- 準2級プラスの試験内容(日本英語検定協会)
- 準2級プラス特設サイト(日本英語検定協会)
- 英検CSEスコアでの合否判定方法について(日本英語検定協会)
- 準2級の試験内容(日本英語検定協会)
- 2級の試験内容(日本英語検定協会)
- 2026年度第1回 準2級プラス 一次試験 問題冊子(PDF)
- 2026年度第1回 準2級 一次試験 問題冊子(PDF)
- 2026年度第1回 2級 一次試験 問題冊子(PDF)
- 英検新設級「準2級プラス」合格基準スコア・CEFR算出範囲についてのお知らせ(2024年2月9日・PDF)
- データからわかる「準2級プラス」新設の意義(2025年4月18日・PDF)
- 「英検準2級プラス」の受験者は「2級」や「準2級」とのダブル受験の傾向が明らかに(2025年5月2日・PDF)