はじめに
英検3級は、一次試験に合格すると二次試験(面接)に進みます。英検では3級から面接が加わるため、「英語で話す試験は初めてで不安」という中学生も多いと思います。
でも、面接は流れと問題の形が決まっている試験です。何をどの順番で聞かれるのかを知り、本番と同じ流れで練習しておけば、当日あわてることはぐっと減ります。
この記事では、日本英語検定協会(以下、英検協会)の公式サイトの内容をもとに、3級の面接の流れ・問題の構成・評価のしかたを整理し、よくあるつまずきと家でできる練習法を紹介します。3級全体の試験内容は英検3級の対策ページもご覧ください。
英検3級の二次試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | 個人面接(面接委員1人) |
| 所要時間 | 約5分 |
| 言語 | 面接委員とのやりとりはすべて英語 |
| 問題 | 音読+質問5つ(No.1〜No.5) |
| 問題カード | 30語程度のパッセージ(英文)とイラスト |
| 合格基準スコア | 353(英検CSEスコア。満点は550) |
面接中にメモを取ること、写真撮影や録音をすることは禁止されています。
当日の流れ(入室から退室まで)
公式サイトで説明されている流れは次のとおりです。
- 入室:係員の指示に従って面接室に入る
- 面接カードを渡す:控室で記入した「面接カード」を面接委員に手渡す
- 着席:面接委員の指示で座る
- 氏名・級の確認と挨拶:名前と受験する級の確認のあと、簡単な挨拶
- 問題カードを受け取る:パッセージとイラストが印刷されたカード
- 黙読(20秒):まず声を出さずに読むよう指示される
- 音読:指示があったら、英語のタイトルから声に出して読む
- No.1:パッセージについての質問
- No.2・No.3:イラストについての質問。終わると問題カードを裏返すよう指示される
- No.4・No.5:受験者自身のことなどについての質問(カードを見ずに答える)
- 問題カードを返す:必ず面接委員に返してから退室
- 退室:すみやかに会場を出る。控室に戻ったり、待っている受験者と話したりしない
No.1〜No.3はカードを見て答えてよく、No.4・No.5はカードを裏返してから答える、という区切りを覚えておきましょう。入室から退室までの様子は、英検協会のバーチャル二次試験(3級)で音声付きアニメーションとして確認できます。
音読と5つの質問の答え方
| 順番 | 形式 | 公式サイトの説明 |
|---|---|---|
| 音読 | 音読 | 30語程度のパッセージを読む |
| No.1 | パッセージについての質問 | 音読したパッセージの内容についての質問に答える |
| No.2・No.3 | イラストについての質問 | イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する |
| No.4・No.5 | 受験者自身のことなど | 日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む) |
以下の英語の例は、この記事のために作ったオリジナルです。
音読:タイトルから、区切りを意識して
黙読の20秒で、読み方に自信のない単語と、どこで区切るか(カンマ・ピリオド・意味のまとまり)を確認しておきます。速く読む必要はありません。はっきりした声で、意味のまとまりごとに読みましょう。知らない単語があっても、止まらずに読み進めることが大切です。
No.1:主語を代名詞にして答える
答えはパッセージの中にあります。カードを見て該当する部分を探し、主語を代名詞に置き換えて、質問に対応する部分だけを答えます。英検協会の公式サンプル問題の解答例も、主語を代名詞にした文になっています。
Q: Why do many students join the cooking club?
A: Because they want to make lunch for their families.
「many students」を「they」に置き換えています。パッセージの一文を丸ごと読み上げると、質問と関係のない部分まで入ってしまうので注意しましょう。
No.2・No.3:質問の形に合わせて描写する
イラストの人物が何をしているか、物がどこにいくつあるか、などを英語で答えます。
Q: What is the girl doing?
A: She is washing the dishes.
Q: Where is the cat?
A: It is under the table.
大切なのは、質問の文の形に合わせて答えることです。
- 「What is 〜 doing?」→「She is 〜ing.」
- 「What is 〜 going to do?」→「He is going to 〜.」
- 「How many 〜 are there?」→「There are 〜.」
- 「Where is 〜?」→ on / under / by など場所を表す語を使う
No.4・No.5:自分のことを文で伝える
カードを裏返したあとは、自分自身のことや身近な事柄について答えます。
Q: What do you usually do after dinner?
A: I usually watch TV with my family.
Q: Do you like reading books?
A: Yes, I do.
Q: Please tell me more.
A: I like mystery books. I read them before I go to bed.
公式サンプル問題では、No.5で「はい/いいえ」と答えたあと、その答えに応じて質問が続く形になっています。「Yes.」で終わらせず、理由や具体的な内容を1〜2文つけ加える準備をしておきましょう。
評価の観点と合格基準
評価される観点
公式サイトによると、3級の面接は次の観点で評価されます。
- 応答内容
- 発音
- 語い
- 文法・語法
- 情報量
- 積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度
最後の観点は、一般に「アティチュード」と呼ばれます。英語の正確さだけでなく、相手に伝えようとする姿勢も評価の対象です。入室から退室まで、面接委員の顔を見て、聞こえる声で話すことを意識しましょう。
合格基準スコアは353
英検協会の公式サイトによると、3級の二次試験の合格基準スコアは353(英検CSEスコア)、3級の技能ごとの満点スコアは550です。合格基準スコアは固定されていて、過去の英検のテスト結果から算出されています。
スコアは統計的な手法で算出されるため、「何問できれば合格」と自分で計算することはできません。だからこそ、どの質問でも黙らず、何かしら英語で答えることが大切です。
よくあるつまずき
タイトルを読み飛ばす
緊張すると、いきなり本文から読み始めてしまいがちです。練習のときから毎回タイトルを読むくせをつけましょう。
質問と違う形で答える
「What is the boy going to do?」に「He is running.」と答えるなど、質問と答えの形がずれるミスです。質問の動詞の形をよく聞くことが一番の対策です。
カードを裏返したあとに黙ってしまう
No.4・No.5は自分で答えを考えるため、言葉につまりやすいところです。公式サイトにも、応答が滞ると次の質問に進む場合があると書かれています。完璧な英文を考えるより、短くてもまず一文言うことを優先しましょう。
聞き返しすぎる
聞き取れなかったときは「Pardon?」などと聞き返してかまいません。公式サイトでは、自然な流れの中での聞き返しは減点の対象にならないとされています。ただし、不自然な聞き返しや繰り返しの聞き返しは減点の対象です。また「ゆっくり話してほしい」といった要望はできません。
単語だけで答える
「Tennis.」「Two.」のような単語だけの答えです。評価の観点には文法・語法や情報量も含まれるので、主語と動詞のある文で答える習慣をつけましょう。この力は一次試験のライティングとも共通しています(参考:英検3級ライティングのEメール問題の書き方)。
家でできる練習法
1. 本番と同じ手順で音読する
教科書や問題集から30語程度の英文を選び、20秒黙読→タイトルから音読の手順で、毎日1〜2題続けます。読めない単語は音声で確認しましょう。
2. 保護者が面接委員役で「通し練習」
入室から退室までを通して練習するのが、いちばん効果的です。保護者の方が英語が苦手でも、次のような簡単な台本を読むだけで練習になります。
Please sit down. What's your name?
(問題カードを渡して20秒待つ)
Please read the passage aloud.
No.1〜No.3(パッセージとイラストについて質問)
Please turn over the card.
No.4〜No.5(自分自身について質問)
Could I have the card back, please?
この台本は練習用に作ったもので、本番の言い回しと同じとは限りません。流れに慣れることが目的です。
3. 教科書の挿絵でイラスト描写
挿絵を見ながら「この人は何をしている?」「机の上に何がいくつある?」を英語で言う練習です。保護者の方は日本語で聞いても大丈夫です。
4. 自分の答えを用意しておく
休日の過ごし方、好きな教科、部活動、行ってみたい場所など、身近な話題について英語の答えを1〜2文ずつ準備しておきます。
5. 録音して聞き直す
声の大きさや、つまったところ、単語だけで答えたところなど、自分では気づきにくい点が分かります。
なお、上の級では面接の問題構成や求められる内容が変わります。先の級に興味がある方は英検2級の面接対策も参考にしてください。
まとめ
- 3級の二次試験は、面接委員1人との約5分の個人面接
- 黙読20秒→タイトルから音読→No.1〜No.5の順で進む
- No.1はパッセージ、No.2・No.3はイラスト、No.4・No.5はカードを裏返して自分のことを答える
- 伝えようとする意欲や態度も評価の観点。合格基準スコアは353
- 質問の形に合わせ、主語と動詞のある文で答える
- 家では、本番と同じ流れの通し練習が効果的
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