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英検対策

英検の過去問の使い方|いつから始める?解き方・解き直し・分析の手順

英検の過去問は、解いて丸つけをするだけではもったいない教材です。公式サイトで公開されている範囲、始める時期、時間を計った解き方、なぜ間違えたかの分析手順、ライティング・リスニングの扱いまで順番に解説します。

英検の過去問の使い方|いつから始める?解き方・解き直し・分析の手順

はじめに

英検対策で「過去問を解きましょう」とよく言われます。けれども、実際には「何回分解けばいいの?」「いつから始めればいいの?」「解いたあと、何をすればいいの?」と迷う方が少なくありません。

過去問は、本番と同じ形式・難易度で作られた、最も信頼できる練習素材です。一方で、解いて丸つけをして点数を見るだけでは、その価値の半分も使えていません。過去問の本当の価値は、「自分がどこで、なぜ間違えるのか」を教えてくれることにあります。

この記事では、日本英語検定協会の公式サイトの情報をもとに、過去問の入手方法から、始める時期、時間を計った解き方、解き直しと分析の手順、ライティング・リスニングの扱いまでを順番に解説します。

英検の過去問はどこで手に入る?公式サイトの公開範囲

英検の過去問は、日本英語検定協会の公式サイトの各級ページで、過去1年(3回分)が公開されています。2026年9月時点で公式サイトを確認したところ、各級で次のものが掲載されていました。

公開されているもの内容
一次試験の問題冊子PDFでダウンロード可能
リスニング原稿放送される英文のスクリプト(PDF)
リスニング音源サイト上で再生できる
解答正解の一覧。ライティングは解答例が載っている
二次試験サンプル問題(PDF)。面接の流れはアニメーションの「バーチャル二次試験」で確認できる

補足として、次の点を知っておくと安心です。

  • 公開されている一次試験は、本会場・準会場F日程(2〜5級のみ)で実施された分です。
  • 準2級プラスは2025年度に新設された級で、公式サイトでは「各回次の一次試験終了後に順次掲載予定」と案内されています。
  • 公開される回や内容は、今後変わることがあります。最新の状況は必ず公式サイトで確認してください。
  • 過去問を含む試験問題の著作権は協会にあります。自分の学習のために使う範囲にとどめ、SNSやブログに問題を掲載しないよう公式サイトでも注意が呼びかけられています。

公式の3回分よりも多く演習したい場合は、書店で販売されている級別の過去問集を1冊追加するのが一般的です。ただし、冊数を増やすより、手元の過去問を解き直しまで使い切るほうが効果的です(理由は後ほど説明します)。

過去問はいつから始める?3つの段階で使い分ける

結論から言うと、過去問は「最初に1回」「中盤は大問ごと」「直前は通しで」の3段階で使うのがおすすめです。直前期まで一切手をつけないのも、最初にすべて解き切ってしまうのも、どちらももったいない使い方です。

段階時期の目安使い方目的
1. 実力診断対策を始めた最初の週1回分を時間を計って通しで解く今の位置と、弱い大問を知る
2. 形式慣れ・弱点練習対策の中盤苦手な大問だけを繰り返し解き直す弱点をつぶす
3. 本番演習試験の1か月〜数週間前残しておいた回を、本番と同じ時間で通しで解く時間配分と集中力を仕上げる

段階3のために、少なくとも1回分は手をつけずに残しておくのがポイントです。初見の過去問を本番と同じ条件で解ける機会は限られています。直前期に「今の実力で本番を迎えたらどうなるか」を確かめるために、とっておきましょう。

また、段階1で「思ったより解けない」と感じても、焦って過去問ばかり解く必要はありません。単語や文法の抜けが原因なら、まずはそちらに戻るほうが近道です。教材の絞り方については、英検の教材は絞って使い切るで詳しく紹介しています。

時間を計って解く方法|本番と同じ条件をつくる

過去問を通しで解くときは、本番とできるだけ同じ条件をつくります。公式サイトに示されている一次試験の時間は次のとおりです。

級リーディング(・ライティング)リスニング
1級100分約35分
準1級90分約30分
2級85分約25分
準2級プラス85分約25分
準2級80分約25分
3級65分約25分
4級35分約30分
5級25分約20分

(3級以上はリーディングとライティングを合わせた時間です)

通しで解くときのルールは次の5つです。

  1. タイマーをセットし、時間になったら途中でも手を止める(延長しない)
  2. 解答用紙(マークシート)を用意して、実際に塗る。公式サイトで解答用紙の見本が公開されています
  3. 辞書やスマートフォンは使わない
  4. 迷った問題には、問題冊子に「?」の印をつけておく(あとで分析に使います)
  5. リスニングは音源を途中で止めない。本番と同じように流しっぱなしで解く

時間内に解き終わらなかった場合も、そこで終わりにせず、時間外で最後まで解いて、色を変えて答えを書いておくと、「時間があれば解けたのか」「時間があっても解けなかったのか」を区別できます。大問ごとの時間配分については、英検リーディングの時間配分を参考にしてください。

採点の仕方と正答率の見方

丸つけをしたら、大問ごとに正答数を記録します。合計点だけを見ても、どこを伸ばせばよいかは分からないからです。

ここで知っておきたいのが、英検の採点方法です。英検のスコア(英検CSEスコア)は、各回の全答案の採点後に統計的な手法で算出されるため、公式サイトでも「自分の正答数からスコアを算出することはできない」と説明されています。また、スコアは問題数にかかわらず技能ごとに均等に配分されており、公式サイトでは、技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なると説明されています。個々の設問の配点は公表されていないため、正答数から「あと何問で合格」と計算するのではなく、技能ごとの正答率の偏りを見る使い方がおすすめです。

そのうえで公式サイトは、2016年度第1回の一次試験では、1級・準1級は各技能の正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の受験者の多くが合格した、という参考情報を示しています。

この数字は特定の回の参考情報であり、合格を保証するラインではありません。過去問の自己採点では、次のように使うのが現実的です。

  • リーディングとリスニングは技能ごとに正答率を出し、ライティングは問題ごとに、公式が示す採点観点に沿って自己評価する(ライティングには正答が無いため、正答率は出せません。英作文と、Eメール・要約とでは観点が異なるので、後述の「ライティングの過去問の使い方」を参照)
  • 1つの技能だけが大きく低い場合は、そこを優先して対策する(技能ごとにスコアが均等配分されるため、苦手な技能があると合計に響きやすい)
  • 1回ごとの点数に一喜一憂せず、回を重ねたときの変化を見る

スコアの仕組みについては、英検CSEスコアの見方でも解説しています。

解き直しと「なぜ間違えたか」の分析手順

過去問でいちばん大切なのは、解いたあとの解き直しと分析です。次の5つの手順で進めてください。

手順1:答えを見る前に、もう一度自力で解く

丸つけで×だった問題と、「?」の印をつけた問題を、答えを見ずに時間無制限で解き直します。時間をかければ解ける問題なのか、時間をかけても解けない問題なのかが、ここで分かります。

手順2:正解を確認し、根拠を探す

リーディングなら、正解の根拠になる本文の箇所に線を引きます。リスニングなら、リスニング原稿で答えにつながる発言を探します。「なんとなくこれが正解らしい」で終わらせないことが大切です。

手順3:間違いの原因を分類する

間違えた理由を、次のどれに当てはまるか分類します。

原因よくある状態戻るべき対策
単語選択肢や本文の単語の意味が分からなかった単語帳の該当範囲、知らなかった語を単語カードに追加
文法・構文文の構造(主語・動詞)が取れなかった文法問題集の該当単元、文の骨組みを書き出す練習
読み違い単語も文法も分かるのに、本文と選択肢を照らし合わせ損ねた根拠に線を引いてから選ぶ習慣
時間不足時間があれば解けた大問ごとの時間配分の見直し
ケアレスミスマークのずれ、問題文の読み落とし見直しの手順を決める
聞き取り原稿を読めば分かるが、音で聞き取れなかった音声を使った聞き直し・音読(後述)

手順4:分析ノートに1行で書く

分類した結果は、ノートに1問1行で記録します。たとえば次のような形です(例は自作です)。

2025年度第◯回 大問1 (7)
原因:単語("reluctant" の意味を知らなかった)
対策:単語カードに追加。例文ごと覚える

2025年度第◯回 大問3 (25)
原因:読み違い(本文は「一部の人」、選択肢は「全員」)
対策:選ぶ前に本文の根拠に線を引く

数回分たまると、「単語で落とすことが多い」「読み違いが多い」といった傾向が見え、次にやるべき勉強が決まります。

手順5:1週間後にもう一度解く

分析が終わったら、1週間ほど空けて、×だった問題をもう一度解き直します。ここで理由まで説明して正解できれば、その問題は「わからない」がゼロになったと言えます。まだできない問題は、手順2に戻ります。

ライティングの過去問の扱い

ライティングは、時間を決めて書き、公式の採点観点で見直し、書き直すの3ステップで使います。公式の解答には、ライティングの解答例が掲載されています(あくまで解答例の1つです)。

級ごとに問題の種類が違う

公式サイトの試験内容によると、ライティングの問題は次のとおりです。

級ライティングの問題
3級・準2級Eメール、英作文
準2級プラス・2級・準1級・1級英文要約、英作文

採点観点に沿って自己チェックする

公式サイトでは、英作文の採点観点として「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つが示されています。書き終えたら、次の問いで見直してみましょう。なお、3級・準2級のEメール問題や、準2級プラス以上の要約問題は英作文とは観点が異なります(Eメールなら「相手の質問に答えているか」「指示された質問を書いているか」など)。各級の試験内容のページで観点を確かめ、問題ごとに分けて見直してください。

  • 内容:問われていることに答えているか。意見に対する理由が具体的か
  • 構成:意見と理由の流れが分かりやすいか。つなぎの言葉を適切に使えているか
  • 語彙:同じ語の繰り返しになっていないか。語の使い方は正しいか
  • 文法:同じ形の文ばかりになっていないか。時制や主語と動詞の対応に誤りはないか

解答例は「写す」のではなく「比べる」

解答例を読んで終わりにせず、自分の答案と比べて、使える表現や構成の違いを見つけることが大切です。そのうえで、同じテーマでもう一度書き直します。自分では誤りに気づきにくいので、できれば先生など第三者に添削してもらいましょう。級別の書き方は、英検2級ライティングの書き方などの記事でも紹介しています。

リスニングの過去問の扱い

リスニングは、本番どおりの放送回数で解いたあと、原稿と音源を使って「聞き取れなかった理由」を特定するのがポイントです。

公式サイトの試験内容によると、準2級以上はリスニングの放送がすべて1回です。3級は大問によって1回と2回があり、4級・5級はすべて2回放送されます。練習でも、本番と同じ回数で解くようにしましょう。

解いたあとの進め方は次のとおりです。

  1. 本番と同じ回数で聞いて解き、丸つけをする
  2. リスニング原稿を読んで、意味が分かるか確認する。読んでも分からなければ、原因は単語や文法
  3. 読めば分かるのに聞き取れなかった部分は、原稿を見ながら音声を聞き、どこが聞き取れなかったのかを確かめる
  4. 原稿を見ながら音声に合わせて音読する(慣れたら、音声を少し遅れて追いかけて言う)
  5. 最後に、原稿を見ずに音声だけを聞き、内容が分かるか確認する

過去問は何回分やればよい?

「何回分やれば合格できる」という決まった数はありません。目安にしてほしいのは回数ではなく、解いた回の「わからない」をすべてなくせたかどうかです。

考え方の目安は次のとおりです。

  • まずは公式サイトの3回分を、解き直しと分析まで含めて使い切る
  • そのうえで、弱点の傾向がまだはっきりしない、または演習量が足りないと感じたら、級別の過去問集を1冊追加する
  • 直前期に通しで解く回を、少なくとも1回分は残しておく

10回分を解きっぱなしにするより、3回分を完璧に解き直すほうが、得点につながる力は身につきやすくなります。これは、教材を絞って同じ教材を繰り返すという英検専科の考え方とも共通しています。

過去問演習でよくある失敗

  • 点数だけ見て終わる:大問ごとの正答数と、間違いの原因を必ず記録する
  • 答えを覚えてしまい、解き直しの意味がなくなる:解き直しは1週間ほど空けてから行い、理由まで説明できるかを確認する
  • 時間を計らずにゆっくり解く:段階1と段階3は必ず本番と同じ時間で解く
  • 直前期に初見の回が残っていない:最低1回分はとっておく

まとめ

  • 公式サイトでは、各級の過去1年(3回分)の一次試験の問題冊子・リスニング原稿・音源・解答が公開されている(最新の状況は公式で確認)
  • 過去問は「最初に実力診断」「中盤は大問ごと」「直前は通しで」の3段階で使う
  • 通しで解くときは、時間・マークシート・放送回数を本番にそろえる
  • 自分の正答数からCSEスコアは算出できない。技能ごとの正答率と、その変化を見る
  • 間違いは「単語・文法・読み違い・時間・ケアレスミス・聞き取り」に分類し、対策を教材に戻す
  • ライティングは問題ごとに公式の採点観点で見直して書き直す(英作文は内容・構成・語彙・文法。Eメール・要約は観点が異なる)。リスニングは原稿と音源で聞き取れない理由を特定する
  • 大切なのは解いた回数ではなく、解いた回の「わからない」をゼロにすること

英検専科の指導について

英検専科では、完全1対1の個別指導で、過去問の間違いを一緒に分析し、「なぜその答えになるのか」を明快なロジックで説明しています。原因が単語や文法にあれば、厳選した教材に戻って完璧になるまで繰り返し、わからないをゼロにしてから次へ進みます。過去問の使い方や、今の点数から何をすべきかに迷ったときは、無料体験授業のお申し込みからお気軽にご相談ください。

出典・参考

この記事を書いた人

長延映寛(英検専科 代表・英語科主任)

生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞。 英検5級〜1級の完全1対1指導を行う英検専科の指導方法を設計しています。 使う教材を絞り込み、単語と文法を徹底して「わからない」をゼロにする指導が方針です。

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