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英検対策

高校入試で英検はどう使われる?公立・私立の活用例と取得時期の目安

高校入試で英検がどう使われるのかを、文部科学省の調査、大阪府教育委員会の資料、英検協会の公式情報をもとに解説します。調査書・読み替え・推薦の条件・私立の優遇の違い、学年別の目標級、出願に間に合う受験回、合格証明書の準備をまとめました。

高校入試で英検はどう使われる?公立・私立の活用例と取得時期の目安

はじめに

「英検を持っていると高校入試で有利になるの?」は、中学生の保護者からとてもよく聞かれる質問です。答えは、受ける高校と、その都道府県の制度によって大きく違います。英語の試験の点数に換算される地域もあれば、合否の判定には使われない地域もあります。私立高校では、学校ごとに条件がばらばらです。

この記事では、文部科学省が全国の公立高校入試について調べた資料、大阪府教育委員会の入学者選抜の資料、日本英語検定協会(以下、英検協会)の公式ページを実際に確認し、高校入試での英検の使われ方を整理しました。そのうえで、中学の学年ごとに何級を目指すとよいか、出願に間に合う受験回はどれか、合格証明書をどう準備するかを説明します。

試験の日程や制度は2026年9月時点の情報です。制度は年度ごとに変わることがあるため、最終的には志望校の募集要項と、各都道府県教育委員会の最新の資料で確認してください。

高校入試で英検はどう使われる?主な5つの形

高校入試での英検の使われ方は、大きく「調査書(内申書)」「英語の試験の読み替え」「推薦・特色選抜の条件や評価」「私立高校の優遇」「入学後の特典」の5つに分けられます。 どれが使えるかは、公立か私立か、どの都道府県・どの高校かで決まります。

使われ方主な内容決めるところ
調査書への記載・得点化中学校が作る調査書に取得資格を書き、高校の基準によって点数にしたり参考にしたりする都道府県の様式と各高校の基準
英語の学力検査の読み替え級に応じた割合で英語の試験の点数を保障し、当日の点数と高い方を使う都道府県教育委員会
推薦・特色選抜の条件や評価「○級以上」を出願の条件にしたり、重視する実績として評価したりする各高校(公立は教育委員会の要項の範囲内)
私立高校の優遇出願資格、加点、試験の免除、合否判定での優遇など各私立高校
入学後の特典奨学金・給付金、入学金などの費用免除、単位認定など各高校

英検協会の「英検・TEAP・IELTS 活用校検索」でも、私立中高を対象に「出願資格」「得点換算」「試験免除」「加点」「判定優遇・合否参考」「奨学金・給付金」「費用免除」などの活用方法で学校を探せるようになっています。ただし同じページに、最新の情報は各校のウェブサイトや募集要項で確認するよう注意書きがあります。検索結果は学校探しのきっかけとして使い、条件の確認は募集要項で行いましょう。

大学入試での使われ方は英検の大学入試での活用で解説しています。大学入試とは違い、高校入試では公立高校の制度が都道府県単位で決まる点が大きな特徴です。

公立高校入試で英検を使う都道府県はどれくらい?

文部科学省が令和6年度入学者選抜(2024年春の公立高校入試)について調べた資料では、合否の判定に外国語の外部試験(英検など)の結果を活用していると答えたのは、47都道府県のうち8でした。 残りの39は「実施していない」と答えています。

同じ資料で、活用の中身を見ると、次のような形が挙がっています。

  • 英語の学力検査の点数を、外部試験のスコアや級に応じて保障する
  • 調査書に記載された取得資格を、各高校が定めた基準で得点化する、または総合的な判定の参考にする
  • 特別な選抜で、あらかじめ示した実績(英検○級以上など)を重視して選抜する
  • 推薦・特色選抜で、各高校が重視する事項や内定の基準の一部に英検の級を入れる

条件として書かれている級は、「3級以上」「準2級以上」「2級以上」などさまざまでした。また、8都府県の中には、英検ではなく独自の英語スピーキングテストの結果を使う例も含まれています。

大切なのは、「英検を使う県」でも、すべての高校・すべての選抜で使われるとは限らないことです。調査書で評価するかどうかを高校ごとに決めている例もあります。まずは住んでいる都道府県の教育委員会が公表している入学者選抜の実施要項と、志望校の選抜の内容を確認しましょう。なお、この調査は令和6年度入試の時点のものなので、その後に制度が変わっている場合があります。

大阪府の例:英語の点数を英検の級で読み替える制度

大阪府の公立高校入試では、英語の学力検査について、英検などの級やスコアに応じた「読み替え率」で換算した点数と当日の点数を比べ、高い方をその人の英語の成績にします。 大阪府教育委員会が公表している資料で確認できた内容を紹介します。

令和8年度選抜(2026年春の入試)の読み替え率

令和8年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項では、対象の外部試験をTOEFL iBT、IELTS、実用英語技能検定(英検)とし、英検の読み替え率を次のように定めていました。

英検の級読み替え率
準1級・1級100%
(英検は対応なし)90%
2級80%

準2級以下は、この表に入っていません。同じ実施要項では、活用する志願者は証明書の原本を中学校に提出し、中学校長が内容を確認したうえで、証明書の画像をオンライン出願システムに登録して高校に提出する流れが示されています。

令和10年度選抜(2028年春の入試)からは読み替え率が変わる

大阪府教育委員会のリーフレット「令和10年度以降の公立高等学校入学者選抜制度について」では、令和10年度選抜以降の英検の読み替え率を準1級・1級が90%、2級が70%としています。英語の学力検査は90点満点と示されているので、計算すると次のようになります。

(リーフレットの数字をもとにした計算例)
英語の学力検査:90点満点
2級の読み替え率:70% → 90点 × 0.7 = 63点

当日の英語が58点だった場合 → 63点を使う
当日の英語が75点だった場合 → 75点を使う(当日の方が高い)

つまり、読み替えは「上乗せの加点」ではなく、当日の点数が低かったときの下支えです。2級を持っていても、当日の英語で読み替え後の点数を上回れば、当日の点数が使われます。

令和9年度選抜(2027年春の入試)は実施要項を確認

2027年春に受験する今の中学3年生が対象の令和9年度選抜について、大阪府教育委員会の「令和9年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針」には、英語の学力検査で外部試験のスコアなどを活用し、必要な事項は府教育委員会が別に定める、と書かれています。2026年9月27日に確認した時点では、令和9年度の読み替え率を示した実施要項はまだ掲載されていませんでした。今の中学3年生は、公表される実施要項で読み替え率と手続きを確認してください。

私立高校入試での英検の活用は学校ごとに違う

私立高校では、英検をどう扱うかを学校ごとに決めているため、同じ都道府県でも条件が大きく違います。 英検協会の活用校検索の分類にあるように、出願資格、加点、試験の免除、合否判定での優遇、奨学金や費用の免除などの形があります。

私立高校の募集要項を読むときは、次の点で違いが出やすいので注意しましょう。

  • 対象の入試区分:推薦入試だけか、一般入試でも使えるか
  • 求める級:「3級以上」「準2級以上」など、学科やコースによって違うことがある
  • 取得の期限:いつまでに合格している必要があるか(出願日までか、中学在学中のものか など)
  • ほかの資格との関係:漢字検定や数学検定と合わせて評価するか、どちらか一方だけか
  • 証明の方法:合格証明書のコピーか原本か、合格証書のコピーでよいか、デジタル証明書が使えるか

学校説明会や個別相談で、英検の扱いを直接確認できることもあります。聞いた内容は、年度が変わると更新されることがあるので、出願する年度の募集要項で改めて確かめましょう。

募集要項で確認したい7つのポイント

募集要項では、「どの入試で」「何級が」「どう使われ」「いつまでに」「何を出すか」を順に確認すると、見落としを減らせます。 次の7項目をチェックリストとして使ってください。

  1. 英検の活用があるのは、どの入試区分か(推薦・特色選抜・一般選抜など)
  2. 何級から対象になるか。級ごとに扱いが変わるか
  3. 使われ方は何か(出願資格・得点換算・加点・合否の参考など)
  4. いつまでに合格している必要があるか。一次試験だけの合格は対象か
  5. 提出する書類は何か(合格証明書・合格証書・英検CSEスコア証明書・デジタル証明書など)
  6. 原本かコピーか。提出先は高校か中学校か
  7. 英検S-CBTの結果も同じように使えるか

4について補足すると、3級以上の従来型は、一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(面接)の両方に合格して初めて「合格」です。一次試験だけ合格した段階で、その級を取得したことにはなりません(英検S-CBTは4技能を1日で受験し、スピーキングはパソコンへの録音で行います)。

中学の学年別:いつまでに何級を目指すとよい?

英検協会は各級の目安として、3級を「中学卒業程度」、準2級を「高校中級程度」としています。各級の目安のページでは、5級〜3級の欄に「高校入試レベル」、準2級〜2級の欄に「大学入試レベル」と添えられています。 高校入試で英検を使いたい場合、英検専科では、中学3年生の夏までに3級、余裕があれば準2級を目標にすることをすすめています。中学3年生は入試の勉強が本格的になるため、英検の山場を中学2年生までに作っておくと、両立しやすくなるからです。

学年目標の例取り組み方
中学1年生5級→4級中学1年生の文法と単語を固めながら、5級・4級で試験の形式に慣れる
中学2年生3級学校の授業より先に中学3年生の文法を学び、3級のEメールと英作文、スピーキング(従来型の面接)の練習まで進める
中学3年生の夏まで3級、余裕があれば準2級第1回(5月〜7月)を目安に受験する。志望校の条件が準2級以上なら、ここで準2級に挑戦する
中学3年生の秋条件に届いていない級の再挑戦第2回の従来型か、S-CBTで受験する。入試の勉強との時間配分に注意する

志望校の条件が2級以上の場合(大阪府の読み替えの対象は2級から)、中学生にとっては高校卒業程度の内容になるので、中学2年生のうちに準2級まで合格しておくと、中学3年生で2級に挑戦する時間を取りやすくなります。どの級から受けるかの考え方は英検は何級から受ける?、中学生の準2級については英検準2級は中学何年生で取れる?で詳しく説明しています。

英検と入試の英語は、長文読解・リスニング・英作文など共通する力が多くあります。英検の勉強を入試と別物と考えず、同じ単語帳と文法の問題集を1冊ずつに絞ってくり返すと、両方の土台になります。

出願時期と英検の日程:中学3年生は何回目まで間に合う?

高校入試の出願で英検の合格を証明したいなら、出願日より前に二次試験の合否が出ている受験回を選ぶ必要があります。 従来型の第3回は、二次試験の結果が3月になるため、出願に間に合わない場合があります。

2026年度の英検(従来型)の日程を、個人申込(本会場)で並べると次のとおりです。個人申込の場合、20歳以下の受験者の二次試験はB日程になります。

回申込期間(個人)一次試験二次試験(B日程)二次試験のウェブ合否
第1回2026年3月23日〜5月7日5月31日(日)7月12日(日)7月21日(火)
第2回2026年6月30日〜9月7日10月4日(日)11月15日(日)11月24日(火)
第3回2026年10月30日〜12月14日2027年1月24日(日)3月7日(日)3月16日(火)

学校や塾で団体申込をする場合は、試験日や二次試験の日程が個人申込と違うことがあるので、英検担当の先生に確認してください。申込方法や締切の詳しい説明は2026年度 英検の試験日程と申込方法にまとめています。

たとえば大阪府の令和9年度選抜の日程では、一般入学者選抜(全日制)の出願期間は2027年3月3日〜5日、特別入学者選抜の多くは2月15日〜16日です。第3回の二次試験のウェブ合否(B日程は3月16日、A日程でも3月9日)は、どちらの出願期間にも間に合いません。3級以上を入試で使いたいなら、中学3年生の第2回までに合格しておく計画が現実的です。

英検S-CBTという選択肢

英検S-CBTは、原則として毎週土日に実施され、4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)を1日で受験します。スピーキングは面接ではなく、ヘッドセットを着けて解答を録音する方式です。同じ検定回(第1回・第2回・第3回)で同じ級を3回まで受けられます。1級・4級・5級はS-CBTでは受けられません。

2026年度の公式の一覧では、11月1日(日)実施分のウェブ合否公開は11月30日、11月8日(日)実施分は12月4日でした。二次試験を別の日に受ける従来型より早く結果が出る場合もありますが、S-CBTの結果を入試で使えるかは提出先の条件によります。S-CBTと従来型の違いは英検S-CBTと従来型の違いで比べています。

合格証明書の準備:入試で出す書類と注意点

英検協会は、合格証明書を入試や就職で使う正式な証明書と位置づけています。 賞状の合格証書とは別のものなので、どちらを出すのかを募集要項で確認しましょう。

書類内容再発行
合格証明書(和文・英文)合格を証明する正式な証明書。従来型は合格時に和文・英文各1通が無料で届くできる(1通1,200円、税・送料込み)
英検CSEスコア証明書合否にかかわらずCSEスコアを証明する。希望者のみ有料で発行できる
合格証書(賞状)合格者全員に送られる記念の証書とカードできない
個人成績表受験者全員に発行される成績表できない
デジタル証明書受験者マイページで確認・提出できる電子版の証明書追加の発行費用はかからない

準備で気をつけたいのは次の点です。

  • 再発行できない書類の原本を出さない:合格証書と個人成績表は再発行されません。原本の提出を求められたら、合格証明書でよいかを確認しましょう
  • 再発行は早めに:紙の証明書の再発行は、ウェブ申込なら入金確認後、通常1週間〜10営業日ほどで届くとされ、11月〜1月は申込が集中して時間がかかると案内されています
  • 氏名と生年月日を確認する:英検協会は、入試で学校が成績を照会するときに生年月日などに誤りがあると、受験が認められない可能性があると注意しています。受験者マイページで登録内容を確かめておきましょう
  • デジタル証明書は提出先の条件を確認:2026年9月15日からは、2018年度以降の対象試験を受けたすべての人が、合否にかかわらずデジタル合格証明書またはデジタル英検CSEスコア証明書を無償で取得できるようになりました。ただし、入試で使えるかは提出先の募集要項によります

成績表の見方や証明書の種類は英検の合否結果と成績表の見方でも詳しく紹介しています。

高校入試と英検のよくある誤解

高校入試と英検についての誤解の多くは、「一部の地域や学校の制度」を「全国共通のルール」と思い込むことから生まれます。

よくある誤解実際
英検3級があれば、どの高校でも加点される合否の判定に英検を使わない地域や学校もある。使う場合も、対象の級や選抜は高校ごとに違う
英検を持っていれば、入試の英語の点数に上乗せされる大阪府の読み替えのように、当日の点数と比べて高い方を使う「下支え」の制度もある
一次試験に合格すれば、その級を持っていることになる3級以上の従来型は二次試験まで合格して初めて「合格」
中学3年生の1月の英検でも間に合う第3回は二次試験の結果が3月になり、出願に間に合わない場合がある
合格証書のコピーを出せばよい求められる書類は学校ごとに違う。合格証明書やCSEスコア証明書を指定する学校もある
去年の募集要項と同じはず大阪府の読み替え率のように、年度によって変わることがある

英検の級は、入試の点数だけでなく、高校入学後の英語の授業や、その先の大学入試にもつながる力の目安になります。入試で使えるかどうかだけで判断せず、中学生のうちに身につけておきたい英語力の目標として活用するのもひとつの考え方です。

まとめ

  • 高校入試での英検の使われ方は、調査書、英語の試験の読み替え、推薦・特色選抜の条件や評価、私立高校の優遇、入学後の特典の5つに分けられる(2026年9月時点)
  • 文部科学省の令和6年度入試の調査では、合否の判定に外部試験(英検など)を活用している公立高校入試は47都道府県中8。使う地域でも、対象の高校や選抜は限られることがある
  • 大阪府は英語の学力検査を級に応じて読み替え、令和8年度選抜は準1級・1級100%・2級80%、令和10年度選抜以降は準1級・1級90%・2級70%。令和9年度は実施要項で確認する
  • 私立高校は学校ごとに、対象の入試、級、取得期限、証明の方法が違う
  • 目標の例は、中学3年生の夏までに3級、余裕があれば準2級。3級以上を入試で使うなら、中学3年生の第2回までの合格を目安に計画する
  • 提出書類は募集要項で確認し、合格証書・個人成績表は再発行できないことに注意。氏名・生年月日の登録も確かめる

英検専科の指導について

英検専科は、英検に特化した完全1対1の個別指導塾です。英語の授業は、代表・長延映寛(代表・英語科主任)が設計した指導法のもとで、代表が育成した講師が担当します。代表による直接指導は指名オプション(1回あたり+2,200円・税込)でご利用いただけます。英検対策の講師陣は、英検1級をはじめ、英検準1級・TOEIC850点以上などの高難度の英語資格を持つ講師で構成しています。高校入試で英検を使いたい中学生には、単語と文法の確認を授業に組み込みながら、入試の英語とも共通する長文・リスニング・英作文の力を、使う教材を絞って同じ問題集をくり返し使い切る形で伸ばしていきます。

授業外の質問・添削は、学習アプリ English LABO の AI 機能で受けられ、LINE・メールでも受け付けています(回数無制限・無料)。実績は、受講開始から3ヶ月以内に次の級を受験した受講生の合格率 95%超(受講開始から3ヶ月以内に受験した回で最終合格した人の割合。3級以上は同じ回の二次試験まで合格、4級・5級は一次試験の合格。開校以来の全受講生が対象・当教室調べ)です。合格を保証するものではありません。代表は、生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞しています。中学生に多い級のコース内容は英検3級の対策ページと英検準2級の対策ページをご覧ください。

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出典・参考

この記事を書いた人

長延映寛(英検専科 代表・英語科主任)

生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞。 英検5級〜1級の完全1対1指導を行う英検専科の指導方法を設計しています。 使う教材を絞り込み、単語と文法を徹底して「わからない」をゼロにする指導が方針です。

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