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英検対策

英検1級の勉強法|準1級との差・技能別対策・語彙の積み方と学習計画

英検1級の勉強法を、公式の試験内容と過去問をもとに解説します。準1級との差(語彙・要約90〜110語・意見論述 目安200〜240語で理由3つ・2分間スピーチ)、技能別の対策、語彙の積み方、教材を絞った学習計画、英検CSEスコアからの逆算、二次試験までの見通しをまとめました。

英検1級の勉強法|準1級との差・技能別対策・語彙の積み方と学習計画

はじめに

英検1級は、日本英語検定協会(以下、英検協会)が「英検の試験において最終目標となる級」と位置づけている級です。準1級に合格した高校生・大学生・社会人が次に目指すことが多い一方で、「準1級までとは勉強の量も質も違う」と感じる人が少なくありません。

準1級から1級への差は、語彙の難しさ、書く量と論じ方の条件、面接の形式の3つにはっきり表れます。どこがどれだけ変わるのかを正確に知り、教材を絞って順番に積み上げれば、やるべきことは整理できます。

この記事では、英検協会の公式サイトと公開されている過去問をもとに、準1級との差、技能別の対策、語彙の積み方、教材を絞った学習計画、英検CSEスコアからの逆算、二次試験までの見通しを整理します。試験の数値はすべて2026年9月時点で英検協会の公式サイトに掲載されている情報です。1級の概要は英検1級の対策ページもあわせてご覧ください。

英検1級の試験内容は?準1級との差を表で確認

結論から言うと、1級は準1級に比べて「語彙問題が22問に増える」「要約90〜110語・意見論述 目安200〜240語(理由を3つ)」「5つのトピックから選ぶ2分間スピーチ」の3点が大きな差です。

一次試験の構成

技能形式問題数備考
リーディング短文の語句空所補充22問4肢選択
リーディング長文の語句空所補充6問説明文・評論文など
リーディング長文の内容一致選択7問説明文・評論文など
ライティング英文要約1問文章の内容を英語で要約する
ライティング英作文1問指定されたトピックについての意見を英語で論述する
リスニング会話の内容一致選択10問放送1回
リスニング文の内容一致選択10問放送1回
リスニングReal-Life形式の内容一致選択5問放送1回。アナウンスなど
リスニングインタビューの内容一致選択2問放送1回

試験時間は、リーディング・ライティングが100分、リスニングが約35分です。公式サイトでは、話題として社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治などが挙げられています。受験会場は本会場です。

準1級との比較

項目準1級1級
リーディング・ライティングの時間90分100分
リスニングの時間約30分約35分
短文の語句空所補充18問22問
リスニングの構成3部(12問・12問・5問)4部(10問・10問・5問・インタビュー2問)
要約60〜70語90〜110語
英作文120〜150語(POINTSから2つを使う)目安200〜240語(理由を3つ挙げる。POINTSは示されない)
面接約8分・4コマのイラストで2分間のナレーション・面接委員1人約10分・5つのトピックから1つ選んで2分間のスピーチ・面接委員2人
合格基準スコア(一次/二次)1792/5122028/602
1技能あたりの満点750850

要約と英作文の語数・条件は、2026年度第1回の問題冊子の指示文で確認したものです。1級の英作文では「Give THREE reasons to support your answer.」と、理由を3つ挙げるよう指示されます。準1級のように観点(POINTS)が示されないため、理由の切り口を自分で3つ立てる必要があります。構成は準1級と同じく、序論・本論・結論と指定されています。

2024年度以降の形式変更

1級は、2024年度第1回検定から次のように変わりました(英検協会「2024年度 問題形式リニューアル」より)。

項目変更の内容
リーディング41問→35問(大問1の短文の語句空所補充から単語問題を3問削除、大問3の長文の内容一致選択から3問削除)
ライティング1題→2題(従来の意見論述に加えて要約問題を出題)
試験時間100分のまま変更なし
リスニング・スピーキング変更なし

リニューアルに伴う合格基準スコアとCEFR算出範囲の変更はないとされています。さらに2025年度第1回からは、要約の指示文が「Suggested length: 90-110 words」から「Summarize it between 90 and 110 words.」に変わり、語数の幅が明確に示されるようになりました。2023年度以前の問題集や過去問を使う場合は、要約問題が入っていない点に注意してください。

合格基準スコア

1級の合格基準スコアは、一次試験が2028、二次試験が602(英検CSEスコア)です。英検協会は「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は変動しません」としています。1級の技能ごとの満点は850で、スコアは問題数に関係なくリーディング・リスニング・ライティングに均等に配分されます。要約と英作文の2題で、一次試験のスコアの3分の1が決まるということです。

スコアの仕組みの詳細は、英検CSEスコアの解説記事をご覧ください。

英検1級の技能別の対策

1級の対策は、語彙を毎日の固定タスクとして置きながら、ライティングとスピーキングの「論じる材料」を早い時期から並行して準備するのが基本です。

リーディング:大問1は語彙、長文は論の構造

大問1(22問)は、文脈に合う語句を選ぶ問題です。準1級よりも使用頻度の低い語や、動詞と前置詞・副詞の組み合わせ(句動詞)が問われるため、語彙の知識がそのまま得点になります。語彙の積み方は次の章で詳しく説明します。

長文(大問2・大問3)は、説明文や評論文が中心です。2026年度第1回では、歴史・科学・心理などを扱う英文が出題されました。1級の長文は、1文ごとの難しさよりも、複数の立場や研究結果が入れ替わりながら論が進む点が難しさの中心です。

  • 段落ごとに「誰が・何を主張し・筆者はそれをどう評価しているか」を日本語で一言メモする
  • However、Nevertheless、By contrast、In fact などのつなぎの言葉に印をつけ、論の向きが変わる場所を確認する
  • 内容一致選択は、本文の言い換えを選ぶ問題が多いため、正解の根拠となる本文の箇所を必ず指で示せるようにしてから答えを決める

この「段落ごとの要点を取り出す」読み方は、そのまま要約問題の練習になります。

ライティング①:要約(90〜110語)

2026年度第1回の問題冊子では、3段落の英文を読み、できるだけ自分の言葉で、90語〜110語で要約するよう指示されています。英検専科で数えたところ、本文は300語を超える長さでした。

準1級の要約と比べて、1級では次の点が難しくなります。

  • 本文が長く、具体例や数字の量が多いため、削る判断が増える
  • 段落どうしの関係が「問題→原因→対策とその限界」のように複数段階の論理になりやすい
  • 要約文そのものにも、抽象度の高い語彙と構文が求められる

要約の採点は、内容・構成・語彙・文法の4観点で行われ、1級では観点ごとに0〜8点の9段階、要約の満点は32点と公表されています。書き方の手順と練習法は、英検1級ライティング対策で詳しく解説しています。

ライティング②:英作文(目安200〜240語)

1級の英作文は、TOPICについて理由を3つ挙げ、序論・本論・結論の構成で書く問題です。語数の目安は200語〜240語です。2026年度第1回のTOPICは水へのアクセスを基本的人権とすべきか、2025年度第3回は使い捨てプラスチック製品の販売禁止に賛成か反対か、という社会的な問いでした。

1級の英作文では、語彙・文法の正確さに加えて、「3つの理由が互いに重ならず、それぞれが具体的に説明されているか」が問われます(採点観点は内容・構成・語彙・文法の4つ)。準1級ではPOINTSが理由の軸を示してくれましたが、1級では自分で「健康」「経済」「公平性」のような切り口を立てる必要があります。英語力に加えて、社会的な話題について自分の考えを持ち、限られた時間で3つの論点に組み立てる準備も必要になります。

そのため、1級の英作文の準備は「書く練習」と「論点を集める準備」の2本立てで進めます。詳しくは英検1級ライティング対策をご覧ください。

リスニング:Part 4のインタビューに慣れる

1級のリスニングは、すべて放送1回です。準1級にはなかったPart 4(インタビュー)があり、1つのインタビューを聞いて2問に答えます。

  • Part 1(会話)・Part 2(文):Part 2は1つの英文につき2問。話題はリーディングと同じく学術的なものが多い
  • Part 3(Real-Life形式):問題冊子に印刷された状況(Situation)と質問を先に読み、自分がとるべき行動を選ぶ
  • Part 4(インタビュー):話し手の経歴や考えが長く語られるため、質問に関係する部分を待ち構えて聞く

練習は、過去問を解いたあとに原稿(スクリプト)で聞き取れなかった部分を確認し、音声に合わせて音読するところまでを1セットにします。知らない語があれば、単語帳の余白に書き込んで1冊にまとめます。

スピーキング:2分間スピーチとQ&A

1級の面接は約10分で、面接委員は2人です。公式サイトで説明されている流れは次のとおりです。

順番内容
自由会話氏名の確認と簡単な日常会話
トピックカード5つのトピックが書かれたカードを受け取る
考慮時間トピックの中から1つを選び、スピーチの内容を考える(1分間)。メモはとれない
スピーチ選んだトピックについて話す(2分間)。2分を超えると途中でも中止される
Q&Aスピーチの内容やトピックに関連した質問に答える(4分間)

評価の観点として、公式サイトにはスピーチ・応答の内容、語い、文法、発音の正確さなどが挙げられています。過去の出題例には「科学の発展は常に有益か」「選挙権の行使を義務化するべきか」「遺伝子組み換え食品の安全性」などがあり、英作文と同じく社会性の高い話題です。

準1級のナレーションは「イラストの展開を説明する」課題でしたが、1級は何も見ずに自分の主張を2分間組み立てる課題です。準備の中身は英作文と重なるため、英作文で考えた3つの理由を、そのまま声に出して説明する練習から始めると効率的です。面接の詳しい対策は、英検1級の面接対策をご覧ください。

英検1級の語彙の積み方

結論として、1級の語彙は「準1級の語彙の穴を先に埋め、そのうえで1級用の単語帳を1冊だけ使い切る」順番で積み上げます。 教材を増やすより、同じ1冊で「覚えていない語」を減らし続けるほうが、完成度を測りやすく抜けも見つけやすくなります。

まず準1級の語彙に穴がないか確認する

1級の語彙は、準1級の語彙を前提にしています。準1級に合格していても、大問1を勘で解いた問題が多かった人は、準1級の単語帳で意味を即答できない語がどれだけ残っているかを最初に確認してください。

  • 準1級の単語帳を1周だけテストし、言えなかった語に印をつける
  • 印の語が多い場合は、1級の単語帳より先に印の語だけを回して穴を埋める
  • 穴が少なければ、すぐに1級の単語帳に進む

土台に穴がある状態で1級の語彙を足しても、長文やリスニングでは準1級レベルの語でつまずきます。準1級の語彙の覚え方は、英検準1級の単語の覚え方で詳しく解説しています。

1級用の単語帳を1冊選び、途中で乗り換えない

1級用の単語帳は、次の3点を満たすものを1冊だけ選びます。

  1. 例文がついている:大問1は文脈で語を選ぶ問題なので、例文の中で覚えておくと実戦で思い出しやすくなります
  2. 音声がついている:リスニングで同じ語が出たときに聞き取れるようにするためです
  3. 句動詞の項目がある:1級の大問1では、句動詞も問われます

英検協会は級ごとの必要語彙数を公表していないため、「何語覚えればよいか」という数字にこだわる必要はありません。選んだ1冊を、英語を見て1〜2秒で意味が言える状態にすることを目標にします。

毎日の回し方

1級の語彙は、日常ではまず出会わない語が多く、眺めるだけでは定着しません。次のような回し方を毎日の固定タスクにします。

手順やること
1その日の範囲(新しい語)を決め、英語を見て意味を言う
2言えなかった語に印をつけ、例文を音読する
3その日の最後に、印の語だけをもう一度テストする
4翌日は、前日の印の語から始める
5週末に、その週の範囲をまとめてテストする

1周目で全部覚えようとせず、2周目以降は印の語だけを回します。覚えている語に時間をかけないことで、1冊を短い間隔で何周もできるようになります。周回の考え方は、英検の教材は絞って使い切るで詳しく紹介しています。

覚えた語を「使う語」にする

1級では、語彙は読む・聞くためだけでなく、要約・英作文・スピーチで使うためにも必要です。覚えた語のうち、社会的な話題で使えそうなもの(たとえば mitigate、disparity、sustainable など)は、例文を自分で1文作って英作文のメモ帳に書き写しておきます。

  • 要約で本文の語を言い換えるとき、単語帳で覚えた同義語を使ってみる
  • 英作文で同じ語を繰り返したら、単語帳の語で言い換えられないか確認する
  • 過去問の長文で知らなかった語は、単語帳の余白に書き込み、教材を1冊にまとめる

文法は「精読」で確認する

1級の長文では、挿入や倒置、長い名詞句を含む文が出てきます。文構造の読み違いが原因で失点している場合は、文法の単元別問題集を新しく始める前に、過去問の長文で意味が取れなかった文を、主語・動詞・修飾関係に分けて読み直す方法があります。構造を取り違えていた文は、なぜ取り違えたのかを1行で書き添えておきます。単語と文法の土台づくりの考え方は、英検の単語と文法の勉強法にまとめています。

独学でつまずきやすいポイント

1級を独学で進めるとき、特につまずきやすいのは「語彙が定着しない」「書いた答案を評価できない」「スピーチで話す内容が出てこない」の3点です。

単語帳を複数使って、どれも終わらない

1級の単語帳は収録語の難しさが高く、1冊を仕上げるのに時間がかかります。そこで別の単語帳や語彙問題集に手を広げると、どの教材にも「覚えていない語」が残ったままになります。「覚えた語」と「覚えていない語」の仕分けは、1冊の中で行うと管理しやすくなります。英検専科が教材を増やさない方針をとるのはそのためです。

要約と英作文を「書きっぱなし」にしてしまう

1級の答案は200語を超えるため、自分で読み直しても、理由が重なっていないか、要約に本文にない情報が入っていないか、TOPICの問いに正面から答えているかといった点に気づきにくくなります。英検協会は、TOPICの問いに答えていない答案はすべての観点で0点になることがあると注意しています。第三者に見てもらい、指摘された点を次の答案で直すサイクルを作ると、こうした見落としに気づきやすくなります。

スピーチの練習を一次試験のあとに回してしまう

1級のスピーチは、英語力より先に「そのトピックについて何を言うか」が決まっていないと話せません。一次試験のあとに準備を始めると、扱う話題の幅に対して時間が足りなくなりがちです。英作文の準備と一緒に、一次試験の前から話す練習を始めておくと安心です。

過去問を解くだけで終わる

1級の過去問は、1回分を解くだけで時間がかかるため、解いて丸つけをしたら次へ進みたくなります。しかし、間違えた原因が「語彙」「長文の論の構造」「時間配分」のどれなのかを分けないと、次の過去問でも同じ失点をくり返します。解き直しの手順は、英検の過去問の使い方で解説しています。

教材を絞った英検1級の学習計画

教材は「1級用の単語帳1冊・公式の過去問・要約と英作文の答案」を中心に絞ります。 1級は範囲が広いぶん、教材を増やすとどれも仕上がらないまま試験日を迎えやすい級です。

英検協会の1級のページでは、過去1年(3回分)の一次試験の問題冊子・リスニング原稿・リスニング音源・解答が公開されています。二次試験はサンプル問題が公開されています。

教材役割使い方
1級用の単語帳 1冊大問1と全技能の土台毎日。言えなかった語から復習
(必要な場合)準1級の単語帳土台の穴埋め印の語だけを回し、穴が埋まったら1級の単語帳に集中
過去問(英検協会のサイトで公開)形式の確認・時間配分・仕上げ時間を計って解き、全問を説明できるまで解き直す
要約・英作文の答案ライティングの得点源週2〜3本書き、添削を受けて書き直す
論点メモ(自作)英作文とスピーチの材料話題ごとに賛成・反対の理由を3つずつ英語でメモする

英検CSEスコアから逆算する

学習計画は、試験日と英検CSEスコアから逆算して立てます。1級の一次試験の合格基準スコアは2028なので、計算上は3技能の平均で約676(満点850の約8割)が必要です。

英検協会は、正答数からスコアを自分で算出することはできないとしたうえで、参考として「2016年度第1回一次試験では、1級・準1級は各技能での正答率が7割程度の受験者の多くが合格している」と紹介しています。特定の回の傾向であり合格を保証する基準ではありませんが、どの技能も大きく落とさないという目標の目安になります。

英検CSEスコアはどの級でも共通の尺度で表示されるため、準1級の成績表の技能別スコアも現在地の手がかりになります。

  1. 準1級の成績表で、技能別スコアを確認する
  2. 各技能のスコアと、1級の技能平均の目安(約676)との差を出す
  3. 差が大きい技能から、週の学習時間を多く割り当てる
  4. 1級の過去問を1回分、時間を計って解き、技能別の正答率で現在地を測り直す

たとえば準1級で、リーディングとリスニングは高いのにライティングが低かった人は、1級でもライティングが足を引っ張る可能性が高いと考え、最初から要約と英作文の本数を多めに計画します。1級の問題で測ったスコアではないので、あくまで優先順位を決める材料として使ってください。

6か月前から始める場合

時期中心にやること
6か月前〜5か月前過去問を1回分解いて現状を把握。準1級の語彙の穴埋め。要約・英作文の型を学ぶ
5か月前〜3か月前1級の単語帳1周目〜2周目。要約と英作文を交互に週2〜3本書いて添削を受ける。話題ごとの論点メモを作り始める
3か月前〜2か月前長文は段落要点メモで精読。リスニングは過去問の原稿で確認して音読。論点メモを使って、週1回スピーチを声に出して練習
2か月前〜1か月前過去問を時間を計って解き、原因別に復習。英作文は本番と同じ時間で書く
直前1か月新しい教材は増やさず、単語帳の印の語と過去問の解き直し。答案は書き直したものを読み返す
一次試験後面接の通し練習(自由会話→1分の考慮時間→2分のスピーチ→Q&A)

3か月前から始める場合

時期中心にやること
3か月前〜2か月前単語帳は毎日。過去問を1回分解き、差が大きい技能に時間を集中させる。要約・英作文は週3本書いて添削
2か月前〜1か月前過去問の解き直しと、論点メモの作成。スピーチを週1回練習
直前1か月単語の総復習と過去問の仕上げ。要約・英作文は時間を計って書く
一次試験後面接の通し練習

3か月の場合でも、ライティングを後回しにしないことが大切です。スコアが技能ごとに均等に配分されるため、要約と英作文の2題の出来が一次試験の合否に大きく影響します。

100分の時間配分を決めておく

リーディング・ライティングの100分は、問題の順番を自分で決めて使います。問題冊子には、ライティングテストの開始の合図はなく、リーディングとライティングの時間内に2題とも解答するよう書かれています。英検専科では、次のような配分を目安にしています(公式の配分ではありません)。

パート時間の目安
大問1(語彙22問)10〜12分
大問2・大問3(長文13問)35〜38分
要約15〜17分
英作文25〜28分
見直し2〜3分

長文に時間を使いすぎて英作文が未完成になるのが、避けたい失点です。過去問でライティングから先に解く順番も試し、自分に合う順番を決めておきましょう。

二次試験までの見通し

結論として、二次試験の準備は一次試験の前から始め、英作文で集めた論点をスピーチにも流用すると、準備を二重にせずに済みます。 二次試験の合格基準スコアは602で、スピーキングのスコアのみで判定されます。

英作文とスピーチは同じ材料で準備できる

1級の英作文とスピーチは、どちらも社会性の高い話題について立場を決め、理由を挙げて説明する課題です。違いは、スピーチではメモがとれず、1分で内容を組み立てて2分間話し続ける点です。

準備の段階やること
論点メモ話題(教育・環境・医療・テクノロジー・政治・経済など)ごとに、賛成・反対それぞれの理由を3つずつ英語で書く
英作文論点メモから理由を3つ選び、目安の200〜240語で書く
スピーチ同じ論点メモを見ずに、1分考えて2分話す。録音して聞き直す
Q&A話した内容に対して「なぜそう言えるのか」「反対意見にはどう答えるか」を自分で問い、30秒で答える

スピーチの型を決めておく

1分間の考慮時間で内容を組み立てるには、話す順番を先に決めておく必要があります。英作文と同じく、立場→理由(2〜3つ)→具体例→まとめの順番を型にしておくと、トピックが変わっても組み立てに迷いません。

一次試験後にやること

一次試験のあとは、本番と同じ流れの通し練習を中心にします。自由会話から始め、5つのトピックの中から選ぶ判断も含めて練習することで、当日の緊張を減らせます。考慮時間は1分しかないため、5つのトピックを読んで「理由を3つ言えるトピックを素早く選ぶ」判断も練習の対象です。面接の流れと練習法は、英検1級の面接対策で詳しく解説しています。

英検1級とCEFR C1・資格としての活用

結論として、CEFRのC1レベルを英検で示すには、1級を受験する必要があります。 英検協会は、受験した級ごとにCEFRレベルを算出できるスコアの範囲(CEFR算出範囲)を定めており、1級で算出できるのはB2〜C1です。

CEFR4技能総合スコア算出できる級
C12600〜1級
B22300〜準1級・1級

(英検協会「英検CSEスコア」ページのCEFR対応表より)

4技能総合のCEFRは、4技能すべてを受験しないと表示されません。また、1級を受験して4技能総合スコアが準1級の合格基準スコアである2304未満の場合は、4技能総合CEFRが表示されないと公式サイトに書かれています。

英検協会の1級のページでは、1級の資格は入試活用・単位認定・海外留学など幅広く活用され、通訳案内士(ガイド)試験の外国語(英語)の筆記試験が免除されることも紹介されています。大学入試で使う場合は、必要な級やスコア、成績の有効期間などが大学・学部・入試方式・年度によって異なるため、必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。入試での活用の仕組みは、英検が大学入試で有利になる仕組みでも解説しています。

まとめ

  • 英検1級は、英検協会が「最終目標となる級」と位置づける級。一次試験はリーディング・ライティング100分+リスニング約35分、二次試験は約10分(2026年9月時点)
  • 準1級との差は、大問1が22問、要約90〜110語、英作文 目安200〜240語で理由を3つ、リスニングにインタビュー、5つのトピックから選ぶ2分間スピーチ
  • 合格基準スコアは一次2028・二次602。1技能の満点は850で、ライティング2題で一次のスコアの3分の1が決まる
  • 語彙は、準1級の穴を埋めてから1級用の単語帳1冊を使い切る
  • 教材は単語帳1冊・公式の過去問・要約と英作文の答案に絞り、英検CSEスコアから逆算して計画する
  • 英作文の論点メモをスピーチにも使い、二次試験の準備は一次試験の前から始める

よくある質問

Q. 準1級に合格したばかりでも、すぐに1級を目指せますか?

目指せます。ただし、準1級と1級の差は、語彙・書く量・面接の形式のすべてで大きくなります。まず1級の過去問を1回分解き、技能別に現在地を測ってから、受験する回を決めることをおすすめします。

Q. 1級の勉強にはどのくらいの期間が必要ですか?

英検協会は1級に必要な学習時間を公表していません。現在の語彙力と、準1級の成績表の技能別スコアによって大きく変わります。この記事では6か月前と3か月前から始める計画を紹介しましたが、準1級の語彙に穴が多い場合は、その穴埋めの期間を先に確保してください。

Q. 1級の英作文ではPOINTSが示されますか?

2026年度第1回と2025年度第3回の問題冊子では、POINTSは示されず、「理由を3つ挙げる」「序論・本論・結論の構成」が指示され、語数は「Suggested length: 200-240 words」(目安)と示されています。理由の切り口を自分で立てる必要があるため、話題ごとの論点メモを準備しておくことが大切です。

Q. 2023年度以前の問題集や過去問は使えますか?

語彙や長文、リスニングの練習には使えますが、2024年度から要約問題が加わり、大問1と大問3の問題数も変わっています。本番の形式と時間配分の練習には、2024年度第1回以降の過去問を使ってください。

Q. 授業のない日に質問したいときはどうすればよいですか?

英検専科では、授業外の質問や英作文の添削は、学習アプリ English LABO のAI機能でいつでも受けられ、LINE・メールでも受け付けています(回数無制限・無料)。

英検専科の指導について

英検専科は、完全1対1の英検専門の個別指導教室で、オンラインで全国から受講できます。1級では、英検CSEスコアから逆算した学習計画を立て、使う教材を単語帳・過去問・答案に絞ります。単語と文法の土台を毎回の確認テストで固め、わからない箇所をその都度解消してから次へ進むことを原則にしています。要約・英作文は授業で書き直しまで仕上げ、二次試験のスピーチも本番と同じ流れで練習します。まずは無料体験授業のお申し込みからお気軽にご相談ください。

出典・参考

この記事を書いた人

長延映寛(英検専科 代表・英語科主任)

生徒2,000名超・講師200名以上が在籍する大手個別指導塾で、年間MVP・月間MVP・成績アップMVPを複数回連続で受賞。 英検5級〜1級の完全1対1指導を行う英検専科の指導方法を設計しています。 使う教材を絞り込み、単語と文法を徹底して「わからない」をゼロにする指導が方針です。

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